「バオー来訪者」荒木 飛呂彦著

バオー来訪者 (集英社文庫―コミック版)
荒木 飛呂彦
集英社
売り上げランキング: 94,286

kindle版

のちに「ジョジョの奇妙な冒険」で巨匠としてその名を轟かせる荒木 飛呂彦のデビュー第二作。
丁度小学生~中学生のころジャンプに連載されていて、夢中で読んだ。最近懐かしくて再読。
主人公橋沢育郎のグロウイングストーリーであるとともに、スミレのグロウイングストーリーでもある。また別の側面では育郎=バオーを生み出した霞の目博士がバオーに抱く感情は息子への憎悪に近い気がする。こういうのオイディプスとは違うか。バオーとウォーケンは科学によって生み出された人造生物と超能力者という異形の者としての親近感があり、そうであるが故の近親憎悪の関係か。もう少しウォーケンを深く描いていれば、というのと霞の目博士はもっとバオーに執着したキャラに出来ていればより深みのある物語になっていたかもしれない。
そういう西洋悲劇的な人間関係を縦軸、少年、少女の成長を横軸、そしてSFホラーというエッセンスをぎゅーっと詰め込んで、陰鬱でありながら生命の躍動感を感させつつ、あくまで個人レベルでの非現実的な戦いの物語に仕上げているところが魅力だろうと思います。
読み進めていってタイトルの意味がわかる瞬間の高揚感ったら無いですね。
潜在的な能力バオーと人間としての育郎との意志が一つになることで少年は成長を遂げ、追われる立場から立ち向かう立場になった。
スミレは育郎を(一時的に?)喪失したが、喪失感は癒されて大人へとなっていく。悲劇と成長の二重構造がこの作品を面白い物語にしているんじゃないかなぁと思いました。
確か打ち切り漫画なのだけど、まるで最初から終わらせるつもりで書いていたかのようなクライマックスの展開がすごい。
というか、北斗の拳もそうだけど(シン編は丁度10週で終わっていたような)、マンガ家は10週で打ち切られる前提でストーリー組み立てているんじゃないだろうか。

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