2014年のKousyoublog歴史系おすすめ記事15本まとめ

2014年のKousyoublogの歴史系記事自薦15本の紹介です。日本史8記事、世界史7記事。書評記事は前回の記事で紹介したので今回はそれ以外です。

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日本史

十六~十七世紀、海を渡った日本人~倭寇、奴隷、傭兵、朱印船、キリシタン

十六~十七世紀、海を渡った日本人~倭寇、奴隷、傭兵、朱印船、キリシタン
十六世紀から十七世紀、戦国時代中期から江戸時代初期にかけて、多くの日本人が海を渡り、東南アジアから東シナ海にかけて様々な活動を行った。海を渡...

タイトルの通り、戦国時代後期から江戸時代前期にかけて、東アジア一帯で活動した日本人たちについてのまとめです。一般的に話題になるのは、宣教師などの外国から日本にやってきた人々か、山田長政といったごく一部の有名な武士たちですが、ここではもう少しマイナーな人々について取り上げつつ、当時の非境界性を浮き彫りにできればと思いながら書きました。倭寇とはなにか、当時の欧州・アジア諸国との外交関係についてもある程度触れています。

文禄・慶長の役を巡る明・琉球・島津氏の情報戦

文禄・慶長の役を巡る明・琉球・島津氏の情報戦
朝鮮半島全土を荒廃させ、豊臣政権崩壊の要因ともなった十六世紀東アジア最大の国際戦争「文禄・慶長の役(壬辰・丁酉倭乱)」。どうしても戦地となっ...

秀吉の朝鮮出兵を東アジアの国際関係から見る記事。明国による島津氏の調略と琉球、シャム、ポルトガルを巻き込んだ逆侵攻計画などかなりダイナミックに動いていることがわかると思います。この国際関係の地理的中心にある琉球については以下の通り歴史をまとめた記事を書いています。また、朝鮮出兵の戦後処理については「豊臣軍撤退後の朝鮮半島における明国軍駐留問題」と2013年に書いた『江戸幕府を震撼させた国書偽造スキャンダル「柳川一件」の顛末』という記事があります。2015年はアイヌや北方世界との関係について書きたいなぁ。

琉球王国の興隆と衰退を中心に十六世紀東アジア貿易と島津-琉球外交略史
「アジアのなかの琉球王国」高良 倉吉 著
「琉球国の滅亡とハワイ移民 (歴史文化ライブラリー)」鳥越 皓之 著

江戸時代農村の遊び日・休日

江戸時代農村の遊び日・休日
最近、江戸時代農村の祭礼や休日について興味があって、色々調べているときに図書館で「増補 村の遊び日―自治の源流を探る (人間選書)」という本...

江戸時代の農村における休日は十九世紀初頭から全国的に急増したという。生産力の向上はもちろんある。しかし、大きな要因は十八世紀からの旧来の村落共同体秩序の崩壊で、青年壮年層の台頭によって若者組などが圧力団体として登場、積極的な交渉と様々な権利の要求を多くの場合実力行使を行いつつ繰り返したことだ。いわゆる村方騒動と呼ばれる。休日を巡る攻防から、主導する諸勢力によって社会秩序が動揺させられ、幕藩体制を突き動かしていく過程を簡単にまとめた記事。書いてる本人的には面白いと思ったんだけどかなりアクセス数が少なく、ほとんど読まれていない記事です(笑)

なぜお相撲さんといえば「どすこい」なのか?

なぜお相撲さんといえば「どすこい」なのか?
お相撲さんといえば「どすこい」、「どすこい」といえばお相撲さんというぐらい、イメージが定着した言葉だが、実際には力士は「どすこい」などとは普...

そのタイトルどおり、力士と結び付けられて理解されている「どすこい」という言葉の語源についてまとめた記事。読んでいただければわかると思いますが、上記の「江戸時代農村の遊び日・休日」に本文中でも触れていますが、十九世紀初頭にいわゆる伝統芸能の多くが増加した農村の休日の祭礼として発展したという背景を理解していると、わかりやすいと思います。

日本で初めて反射望遠鏡を作った鉄砲鍛冶「国友一貫斎」

日本で初めて反射望遠鏡を作った鉄砲鍛冶「国友一貫斎」
第一章 江戸の貨幣経済と知識人の台頭、蘭学の登場 十七世紀、戦国乱世の終結による政治的安定は人口増大と経済成長を促した。貨幣経済・商品...

明治の産業革命の土台となったのが江戸時代後期、蘭学・国学の興隆を背景とした技術力の向上で、それを体現する人物として鉄砲鍛冶国友一貫斎を位置づけて彼の生涯と功績についてまとめた記事。江戸の経済史についてはこれまでもいくつか記事を書いていて、2013年の記事『近世日本の大海運網を確立させた強欲商人「河村瑞賢」』で十七世紀の日本の経済成長・市場経済の形成を、『如何にして富士山は日本の象徴となったか~老宗教家「食行身禄」の自死』で享保の改革を巡る徳川吉宗と徳川宗春の対立からの十八世紀初頭の経済を、2014年6月の記事『「田沼意次―御不審を蒙ること、身に覚えなし」藤田 覚 著』で蘭学の興隆を支える田沼政治をそれぞれまとめていて、その一連の過去の記事の流れの上にあるものです。また、蘭学の興隆については、先日の2014年の本のまとめでも挙げた『「江戸の読書会 会読の思想史」前田 勉 著』と、『「蘭学事始」杉田玄白著』に続くものでこちらからの流れでも読んでもらえることを意識しつつ書いています。平賀源内についても書きたいと思いつつ、2000文字ぐらい書いて同時代の思想史の中に位置づける感じになるからちょっと大変だなと放置中。

ペリー艦隊の日本人、サム・パッチこと仙太郎の生涯

ペリー艦隊の日本人、サム・パッチこと仙太郎の生涯
日本史の画期となった嘉永六年(1853)の黒船来航時、ペリー艦隊の中に水夫として一人の日本人がいた。彼は安芸(現在の広島県)出身の船乗りで、...

有名な黒船来航、そのペリー艦隊の中に日本人がいた事はあまり知られていない。ということで、漂流民としてアメリカに渡り、歴史的な開国の舞台に立ったある日本人男性の生涯をまとめた記事です。個人的には、今年一番の自信作なんだけど、これまたあまりアクセス数が無かった。まぁ、一万数千文字と長すぎるからな。上の「十六~十七世紀、海を渡った日本人~倭寇、奴隷、傭兵、朱印船、キリシタン」からの流れで、鎖国時代に海を渡った日本人として読んでもらえるとより面白いんじゃないかと思います。

初代群馬県令楫取素彦(2015年大河ドラマ「花燃ゆ」主人公の夫)について

初代群馬県令楫取素彦(2015年大河ドラマ「花燃ゆ」主人公の夫)について
幕末~明治維新の産業史を少しずつ調べていく中で、富岡製糸場関連の書籍を読んでいて、来年2015年大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公の二度目の夫、初...

2015年NHK大河ドラマは吉田松陰の妹ということで、その二人目の夫、楫取素彦の事績について簡単にまとめた記事です。明治の産業化を牽引し、世界文化遺産登録もされた富岡製糸場の設立にも深く関わっているので、多分ドラマで話題の富岡製糸場を描くんでしょう。多分後半の視聴者を惹きつけるキャラとして渋沢栄一も出るんでしょう。富岡製糸場についてはあらためて日本の産業革命の中に位置づけてまとめて書こうと思いいろいろと史料を漁りつつ、はや半年、年を越してしまうのだった。

近代日本、海水浴の誕生

近代日本、海水浴誕生の歴史
今や夏の行楽の代表となった海水浴だが、日本で海水浴が始まったのは明治時代のことだ。 明治以前の海水浴 海水浴が始まるまで、日本では海...

日本における現代の夏の行楽の代表格海水浴が近代になって形成されてきた過程をまとめています。宗教的行為としての海につかることと欧州の海浜保養に代表される衛生思想、医療的行為としての海水浴と水練としての海水浴などが、鉄道の敷設と都市化の過程で行楽として浸透していく過程は、日本近代化の一つの例としてとても興味深いんじゃないかと思います。あわせて、『「裸はいつから恥ずかしくなったか―日本人の羞恥心」中野 明 著』もどうぞ。この、民俗的習慣と都市化と鉄道と近代科学と国民国家誕生のケミストリーが生む近代化のプロセスは非常に興味を持っていて、他にもいろいろ書こうとは思っています。2015年末を目標に、改めてその典型である初詣の歴史は一年ぐらい書けてまとめたいところなんだけど。

世界史

人口動態からみた古代ローマ帝国の社会

人口動態からみた古代ローマ帝国の社会
古代ローマ帝国を人口から眺めてみよう。あくまで数少ない文献史料と様々な考古学的調査に基づいての暫定的な推定値ではあるが、当時の人口動態とその...

古代ローマ帝国の人口と社会について概説した記事です。西暦二世紀時点で漢帝国と人口を二分していたこと、ローマが稀に見る人口密集としであったこと、強力な家父長制に貫かれるイエ制度を基本とした社会であったこと、これらを踏まえた都市と生活の諸問題など、現代にも通じる特徴があるように思います。

古代ローマから英国海軍まで欧州を中心に近代以前の海戦の歴史

古代ローマから英国海軍まで欧州を中心に近代以前の海戦の歴史
序章 船の誕生 船の誕生がいつのことだったか、はっきりとしたことはわからないが、少なくとも紀元前八千年頃にまで遡ることが出来る。 有...

そのタイトルどおり、古代ローマから英国海軍までの海戦史をまとめた記事です。主に英国海軍が中心の記述になるのは近世海戦史としてはやむを得ないところかなと思いつつ、アジア、ユーラシアについてももう少し目を向ければよかったとも。また近代以降になると一気に高度化複雑化していくので、本当は書きたかったけれども難しかった。『・銀河英雄伝説再アニメ化ということで元ネタっぽい歴史上の戦争いくつか』の李舜臣によるもろもろの戦闘の記述は、この記事の草稿から切り出したものでした。海賊について記述があるべきではという指摘もあり、海賊関連の記事としては『「世界史をつくった海賊」竹田 いさみ 著』『「女海賊大全」より『アイルランドの海賊女王グレイス・オマリーの生涯』』と上記のアジアの倭寇の記事などありますが、海賊史について別途大きな流れをまとめるようにしたいところです。

フィボナッチの登場、レヴァント貿易の隆盛、複式簿記の誕生、そして十六世紀欧州の数学革命

フィボナッチの登場、レヴァント貿易の隆盛、複式簿記の誕生、そして十六世紀欧州の数学革命
レオナルド・フィボナッチ 『インドの九つの数字は9、8、7、6、5、4、3、2、1である。これら九つの数字とアラビアではzephirium...

十七世紀、ガリレオらの第一次科学革命を準備した十六世紀数学革命へと至る、十三世紀からの三百年の数学史です。フィボナッチによるアラビア数字の紹介から、地中海貿易の発展を背景とした実際の商取引でのアラビア数学の浸透、商業の発展による複式簿記の誕生、そして商取引から数学の進歩という流れは、ある種数理論にも似て美しい。この流れの中に、以前書いた記事『ガリレオを擁護した囚われの魔術師トンマーゾ・カンパネッラ』の魔術から科学への移行も置いて考えると、また面白いんじゃないかと思います。

1707年グレート・ブリテン連合王国成立に至るスコットランド・イングランド対立の歴史

1707年グレート・ブリテン連合王国成立に至るスコットランド・イングランド対立の歴史
スコットランド王国成立前史 およそ八世紀頃までにスコットランドには主に五つの民族が定住するようになった。ピクト人、スコット人、アングル人、...

スコットランド独立住民投票にあわせて、18世紀までのスコットランドの歴史を、イングランドとの関係史の中で大きくまとめた記事です。イングランドからみると十八世紀までの歴史は民主主義の成熟と国民国家の形成、のちの大英帝国の土台が築かれていく過程であるわけですが、スコットランドから見ると対立と紛争、そして共同体の崩壊と国家の消滅の過程であるわけで、その二面性がまさに「近代化」を象徴しているなぁと。

バイエルン王家ヴィッテルスバッハ家の歴代君主まとめ

バイエルン王家ヴィッテルスバッハ家の歴代君主まとめ
ヴィッテルスバッハ家前史 ヴィッテルスバッハ家はドイツの名門で、主にバイエルンを738年に渡って統治した王家として知られる。現在のドイツ南...

近世欧州国際政治を理解する上で各王家の動きはぜひ把握していきたいところですが、その中でヴィッテルスバッハ家はとても興味深い。ホーエンツォレルン家についてまとめようとしていたついでのつもりで書き始めたらあっという間に長くなり、気付くとホーエンツォレルン家の方を放置してこっちに注力してしまったのでした。ホーエンツォレルン家についてはまた2015年のどこかで書ければいいなぁ・・・ちなみに『十八世紀プロイセンの特徴』という記事もこの流れでメモ的に書いたものです。

シェーネラーとルエーガー~ヒトラーが範とした二人の反ユダヤ主義者

シェーネラーとルエーガー~ヒトラーが範とした二人の反ユダヤ主義者
アドルフ・ヒトラーは「わが闘争」で強く影響を受けた人物として二人の政治家の名を挙げている。ゲオルク・フォン・シェーネラー(1842 – 19...

以前も書いたけど(『賢者は歴史に学ぼうとして偏った歴史の類推に執着する』)、現実の対象を「ヒトラー」という言葉でまとめてしまうことで見えなくなってしまうものの方にこそ目を向けるべきだと思う次第で、そこで、ヒトラーに大きな影響を与えたとされる二人の政治家、ゲオルク・フォン・シェーネラーとカール・ルエーガーの事績を、オーストリア=ハンガリー二重帝国の動揺、反ユダヤ主義の台頭とあわせてまとめた記事です。

「アンネの日記」真贋論争~偽書説が科学的検証を経て否定されるまで

「アンネの日記」真贋論争~偽書説が科学的検証を経て否定されるまで
「アンネの日記」が何者かの手によって都内図書館で多数破られているというニュースが次々と報じられている。サイモン・ヴィーゼンタール・センターに...

2014年初頭、世間を騒がせたアンネの日記破損事件に端を発して「アンネの日記偽書説」が広がっていたので、「アンネの日記 研究版」を元に「アンネの日記」の偽書説が否定されていくまでを簡単にまとめた記事です。その後、容疑者が逮捕されて、報道されるところでは容疑者自身が偽書説を信じていた的な証言をしていたとかなんとか言っていたとかいないとかでちょっと驚きました。いわゆるこのような陰謀論については、『「なぜあの人はあやまちを認めないのか」キャロル・タヴリス&エリオット・アロンソン 著』『「エイズを弄ぶ人々 疑似科学と陰謀説が招いた人類の悲劇」セス・C・カリッチマン 著』『「世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ」辻隆太朗著』をあわせて参照いただけるとより複合的に見れると思います。

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