相続税の歴史と継承家族への影響に関するメモ

ほんとはこわい「やさしさ社会」を読んでいて、戦前の人々と現代人の人生の目的の違いについてこうあった。

『ほんとはこわい「やさしさ社会」』(P72)
敗戦までの日本人は、先祖とのつながり、子孫とのつながりを意識して生活しました。先祖から子孫へと流れる「川」の一部になることに人生の意味を見出していました。上の世代から受け継いだイエ・土地・血筋を傷つけないように守り、次世代へ渡していくために、世代のあいだを「川」がちゃんと流れるように生きてこそ、自分の人生には意味がある、と考えていたのです。
あるいは、そう自分に言いきかせながら人生を全うした、と言ったほうがいいかもしれません。

それに対して、戦後は、日本人は敗戦などのインパクトもあって集団のために生きることの弊害を痛感、自分のために生きるようになり、脈々と流れる川のような継承家族はかなり力が弱くなっていく、という家族に関しては社会背景があるという趣旨だったのだけど、そこに相続税や家督相続制度の廃止など法が関わる部分って大きかっただろうな、と思って相続税の歴史についてのメモ。

112003 : 相続税法 10(相続税の歴史1)
明治37年になって、やっと日露戦争の戦費調達財源として創設されたものと言われています。(ただし38年と書いている本もあります。)
相続税に関しては、富の偏在を防ぐとか、いろいろな名目がついていますし、平等欲求の強い国民の受けが良いので普及していますが、戦費調達が目的だったのであって、そうした平等思想は、付け足しでした。

相続税 – Wikipedia
相続税がなぜ課されるかについては、次の2つの考え方があるとされる。
1. 遺産税:人は死ぬときに、生前に築いた財産を社会に還元すべきであるとの考え方。
2. 遺産取得税:相続という偶然の事象による財産の取得を抑制すべきであるとの考え方。
上記いずれの場合においても「富の再分配」という基本思想が存在する。

新しいだろうと思っていたけど、20世紀以降(1904年or1905年)なのは意外。
家督相続制度の廃止とあわせて、従来のイエという共同体の力を弱めて、法的&金銭的側面から個人の分離独立を促す効果があったんだろうな。ただ、現行法は或る程度の資産家が相続税を課されるだけだし、契機に過ぎないとも言えるけど、イエを代々繋いでいくというモチベーションに影響したことは確かかな。
とりあえず当然ながらこれらの法律以外の社会的な要因(都市化、教育、会社員化など)が大きいのだろうけど、相続税は20世紀に入って日露戦争の戦費調達目的で制定され、戦後は富の再分配という思想下で改正。一部のそこそこの資産を持っていたであろう継承家族が家父長制を続けるモチベーションに影響したんじゃないか?というメモ。

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