ユダヤ教を唯一神教化させたバビロン捕囚とはなんだったのだろうか

科学とか思想とか資本主義経済とか芸術とか宗教とかそういう現代社会に生きる僕を取り巻く様々なものって、歴史を辿っていくと西洋に生まれているわけじゃないですか。で、それらを生み出した下地というのはキリスト教の影響がかなりの部分を占めていて、そのキリスト教はユダヤ教から派生して生れた訳ですね。そのユダヤ教についてよく知らないので、wikipediaでたらたらと関連の記述を読んでいたわけです。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の唯一絶対神ヤハウェって元は神体山信仰みたいなのだった説があるんですね。

ヤハウェ – Wikipedia
ユダヤ教成立以前の信仰をヤハウェ信仰と呼ぶ。ヤハウェは、元来はシナイ山で信仰された山の精などを指したのではないかと考える者もいる。ヘブライ人がカナンの地を侵略、定着する過程で、先住民カナン人の最高神であるエルやバアルの性格を取り入れ、後にバビロン捕囚などを経てユダヤ教が成立してゆく過程において唯一絶対神の性格を帯びるようになったとする説もある。四資料説においては、「エル」を神の呼称とする資料(エロヒム資料)に比べ、ヤハウェを神の名とする資料(ヤハウェ資料)は新しく、祭儀を祭司階級に担われたものと考える点などにおいて、先行資料と異なっている。

ヤハウェ信仰とよばれていた時期はほぼ他の地域――例えば日本の神体山信仰とか――でもあるようなアニミズム的なものだったんだろう。ところが、バビロン捕囚という事件がとても大きなターニングポイントになる。

ユダヤ教 – Wikipedia
紀元前587年、ユダ王国が新バビロニアに滅ぼされ、バビロンに捕囚される。バビロン捕囚中の約50年間は、政治・宗教のエリート層の全員が捕囚され異郷の地バビロニアで生活を強いられ、王国もなく、神殿もない状況に置かれた。この中で今までのイスラエル民族の歩みを根本的から捉え直され、民族神・神ヤハウェに対する深刻な葛藤・省察の後に、国はなくてもユダヤ教団として生きる道を選び、大胆な宗教変更・改革が行われた。「圧倒的な政治・経済を誇る異教の地」の下にも拘わらずそれに飲み込まれずに、神ヤハウェの再理解、神との再度の関係修復を実現し、イスラエル民族のアイデンティティを確立したのである。旧約聖書の天地創造物語はこの時代に著述された。これが「神ヤハウェが、この世界を創造した神であり、唯一神である」と理解し直されたユダヤ教である。この時期の代表的な宗教家は無名であり、旧約聖書学では第2イザヤと呼ばれている預言者である。また、創世記の天地創造の物語も、この時代に、祭司記者といわれるグループによって著述された。

多神教と一神教という区分がありますが、一神教の中でも特に排他的な、「唯一の絶対的な超越者である『唯一つの神』(神以前には何もないとされることが多い。)を信じる」唯一神教がこの時生まれ、のちに同じく唯一神教のキリスト教、イスラム教が派生していく訳ですね。これら唯一神教群はアブラハムの宗教と言われ、世界30億人が信仰する宗教となっていく。そして、それらの宗教から多くの文明と、芸術と自然科学と産業革命と合理主義と資本主義思想と民主主義思想が生れて世界を覆っていったんですね。西洋に少し偏っている言い方ですけど、全体像としては、ね。

そういう現代の状況を考えると、「バビロン捕囚とは、当時のユダヤ人にとって何だったのか。」というのは世界史の最大のテーマの一つかもしれない。選民思想と排他性を持った信仰を、何故持たねばならなかったのか、持たざるを得ないという心理に至ったのは何故か、というのは実のところ、我々にダイレクトに結びついてくるテーマなんだと思うなー。これ、じっくりと調べたい。じわじわと影響し合う歴史もあれば、このように一つの出来事が余りにも大きな影響を後に与えることもある、というのは歴史の醍醐味の一つであり、それは個人の人生にも言える、とおもう。

ところで、日本の宗教史なんかを見ていても思うのだけど、まずはアニミズム的に多神教が生まれ、その多くの神々の中から様々な集団が特定の一柱を崇める一神教が生まれていくという流れがあるように思う。日本は偶然と必然が微妙に絡み合って、その次々生れる一神教を悉く無力化してきた歴史がある。このあたりを調べてみると実に面白いのだけど、それとは反対に、中東では何故唯一神教というように排他的になったのか、歯止めが効かなかったのは何故か、というのは面白いだろうと思う。砂漠の宗教だから、というのは少し短絡的なようにも思うのだよな。同じ流れは様々な文化圏で起きて、同じ一神教化したのでも、複数の神を認めた形での一神教(単一神教、拝一神教など)だったが、最も影響力を持ったのは排他的で選民思想的な唯一神教だったというのは興味深いと思う。

wikipediaって一度読み出すと止まらないよね。気が付いたらこの辺どばーーっと読んでた。
旧約聖書 – Wikipedia / 選民としてのユダヤ人 – Wikipedia / 唯一神教 – Wikipedia / キリスト教の歴史 – Wikipedia / ディアスポラ – Wikipedia / ユダヤ戦争 – Wikipedia / ユダヤ属州 – Wikipedia / ヘロデ大王 – Wikipedia / サドカイ派 – Wikipedia / ファリサイ派 – Wikipedia / アブラハムの宗教 – Wikipedia / バビロン捕囚 – Wikipedia / ヤハウェ – Wikipedia / ユダヤ教 – Wikipedia / ユダヤ人 – Wikipedia / ユダ王国 – Wikipedia / 古代イスラエル – Wikipedia

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ユダヤ教の本 (NEW SIGHT MOOK Books Esoterica 13号)
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ユダヤ人の歴史 (世界歴史叢書)
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