「昭和の東京」路上観察学会著

昭和の東京
昭和の東京
路上観察学会

書店で立ち読み。表紙にも書かれている通り赤瀬川原平、藤森照信、南伸坊、林丈二、松田哲夫の五人によるものなのだけど、路上観察学会は現筑摩書房専務取締役松田哲夫氏の企画で1986年に始まった20年の歴史を誇る学会というよりはマニアックなサークルで、他にも杉浦日向子、とり・みき、荒俣宏、四方田犬彦らがいる。そんな彼らが撮りためたバブル以前の東京の、オブジェや個性的な建築物、古き良き時代の匂いを残した住居や、あるいはトマソン(ってもう死語だよね)など主に路上の風景写真集。

丁度昭和30年代~40年代を中心とした写真が並んでいて、我々より上の世代、特に40代後半以上の人たちには格別思いいれのある風景なんだろうな、と思う。僕は昭和47年の生まれで、幼少期は主に福岡に過ごしていたので、この本に掲載されている写真に懐かしさはさほど感じないのだけど、なんだろ、70年代後半から80年代前半の子供の頃に感じた福岡の空気感とこの本で紹介される東京の風景が備えている空気感とは本質的に一緒だなと思う。

あくまで印象なんだけど、バブル前の日本というのは戦後から高度経済成長期、70年代の不況期を通して本質的に一体感を持っていた特殊な時代で、現代と言うのは、その逆に、都市の持つ外見的風貌にはさほど変わりはないんだけど、根本的な感覚というのは大きく変わっているんじゃないだろうか。

東京で過ごしている今と福岡で過ごしていたかつてを比べてみても、都市の外見を剥ぎ取った、そこで暮らす人々の空気は全くと行って良いほど違うなぁと思う。西日本と東日本との文化的な違いは良く言われるのだけど、戦後からバブル前のおよそ40年は奇跡的に日本中が一体化出来ていた時代なんじゃないかなぁ。

と、そんなことを、かつての東京の、特にマニアックな風景をパラパラと流し読みしながら思った。

どうでも良いけど、この路上観察学会とかタモリの日本坂道学会とか楽しそうだなぁ。僕も何か散歩系の学会を作りたくなってきました。

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