「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」A・J・スライウォツキー 著

ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
エイドリアン・J・スライウォツキー ダイヤモンド社 売り上げランキング: 5402
おすすめ度の平均: 4.5

4 ビジネスモデルを考える気付きになる
2 小説はいらない
5 まだ本当の評価は得ていない。
3 面白いが、
5 利益とは経済のエネルギーとは、これいかに・・・

成功している企業は必ずなんらかのユニークでパワフルなプロフィット(利益)モデルを作り出している。実際のビジネス上で無数に存在する利益モデルのうち主な23種類のモデルについて、大企業のマーケティング部門で働く青年スティーブがビジネスモデルに精通した弁護士チャオに毎週一回教えを請う形で展開する読み物仕立てのマーケティング入門書。
この本が面白いのは、23種類の利益モデルを説明しながらもそれを理解することに主眼を置いていないこと。23タイプの利益モデルについて考えていくことで利益とは何か、利益モデルを考える際に必要な思考のプロセスはどのようなものか、あるいは利益モデルを学ぶことを通して幅広い知識を身につけるためにどのようにして”脱線”していくか的な内容になっているのかなと思う。
重要なのは個々の利益モデル一つ一つを詳述するのではなく、考えるきっかけを作っていくことという造りになっているので、詳細に語られる利益モデルもあれば登場人物同士の会話の中に漠然と浮かび上がってくる利益モデルもある。それが逆に興味をそそられる。
ただ、各回の「授業」を会話の中から見出そうとしたり、一緒に宿題を考えたり、課題図書を読んだり(は今回はしなかったけれども)していくと、徐々に洗面器に顔をつけているような息苦しい頑張っている感をスティーブと一緒に味わうことは出来る。そして、その過程があると、最終章でこれまでの課題や章立てが一つのストーリーを形作っていくのが実感出来て、結構充実感が味わえるかもしれない。そういう意味で簡単なテキストとしても、自己啓発的な本としても有用なようにも思う。
この本で描かれているテーマはパラドキシカルな言い方になるけれど、「目的に向かうためには目的に向かって行ってはいけない」というようなことであって、どのようにして目的を浮かび上がらせるかというような趣旨になっているように感じた。そしてそれは学習のあり方として適切だろう。
それゆえに、一つ一つの利益モデルが腑に落ちるという瞬間はとてもエキサイティングであるように思う。で、これらの利益モデルが腑に落ちるためには様々な基礎知識や経験がある必要があって(教え子のスティーブ君は曲がりなりにも大企業の優秀なマーケティング担当者だし)、正直あーなるほどと腑に落ちたのは数えるほどしかない。そのほとんどは、漠然と、「そういうもんかもしれないけれどよくわかんねー」という感想に留まっている。
まぁ、じわじわと「腑に落ちていく」過程を楽しめれば良いんじゃないかなこれは。で、この本から色々と興味を広げていくことに使うことができれば上出来なんじゃないかなと思う。そういう意味ではまずまず良い部類に入る入門書的読み物なんじゃないかなーと思います。
■紹介されている23の利益モデル
顧客ソリューション利益モデル / 製品ピラミッド利益モデル / マルチコンポーネント利益モデル / スイッチボード利益モデル / 時間利益モデル / ブロックバスター利益モデル / 利益増殖モデル / 起業家利益モデル / スペシャリスト利益モデル / インストール・ベース利益モデル / デファクト・スタンダード利益モデル / ブランド利益モデル / 専門品利益モデル / ローカル・リーダーシップ利益モデル / 取引規模利益モデル / 価値連鎖ポジション利益モデル / 景気循環利益モデル / 販売後利益モデル / 新製品利益モデル / 相対的市場シェア利益モデル / 経験曲線利益モデル / 低コスト・ビジネスデザイン利益モデル / デジタル利益モデル

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