100歳を超えて生きるには

ダン・ベットナー:100歳を超えて生きるには | Video on TED.com

TEDで興味深いスピーチを見ました。subtitlesからJapaneseを選ぶと日本語字幕がでます。スピーカーのダン・ベットナーはナショナルジオグラフィック誌やアメリカの国立老化研究所などとチームを組み、世界各地の100歳以上の長寿者が多い地域(ブルーゾーン)の生活習慣や社会構造を研究し文化を超えて共通する要素を抜き出したといいます。彼らが調査した多くのブルーゾーンのうちイタリアのサルディーニャ島にある高地地帯ヌオロ県、日本の沖縄本島北部地域、アメリカのプロテスタントの一派セブンスデイ・アドベンチストが多く集まるカリフォルニア州ロマリンダ地域の三箇所について紹介されています。
それぞれの地域に共通するのは、植物性の食生活を送り、生活の中に運動が組み込まれ、生きる目的に関する言葉があり、孤独にならず、信頼に基づいた共同体が存在しているなどだそうだ。サルディーニャ島では古い歴史が残る文化と、ポリフェノールが通常の三倍以上のワインやチーズなどと植物性の食生活とともに、老人に対する敬意を持った社会が形成されているという。また、沖縄では「腹八分」という言葉と過食を防ぐ生活習慣、模合という相互扶助の組合の話や「生き甲斐」―その意味は「翌朝目覚めるための理由」だという、うまい言い回しだ―などのエピソードが語られる。アメリカについてもセブンスデー・アドベンチストたちの健全でアクティブな生活と、信仰に裏打ちされたコミュニティの状況が紹介されれている。
関係ないけどセブンスデー・アドベンチストはその昔、コーンフレークを発明したケロッグ博士が信仰していた宗派ですね。ケロッグ博士は熱心な信者で団体の診療所で働いており、その信仰心から、アメリカ人の健康促進のためコーンフレークを考案したという歴史があったりします。何故か日本ケロッグ社の由来にはセブンスデー・アドベンチストについては載っていないんだけど、そこは色々大人の事情があるんでしょう。
ダン・ベットナーはコミュニティの重要性や生きる目的に関する部分を強調する。確かにそのような健全な人間関係によるソーシャル・キャピタルの存在は健康と密接に関わっている、という話は良く聞くので、それを喚起しようという意図なのだろうし、それはとても重要なことで、長寿や健康と社会との関係についてはよく研究されて欲しい分野だと思います。
スピーチの上手さもあって、とても聴きごたえがあった動画なのだけれど、しかし、多分、聴衆となる人々が素人であることを考慮してわかりやすさを重視しているのだと思うが、論旨を補強するデータや裏付け、エピソードをかなりばっさりとシンプルにしたことで、少々牽強付会な印象、というか結論有りきというようにも聞こえるかなとも思う。特に沖縄の話は「腹八分」って孔子なの?とか「生き甲斐」は日本語圏に共通する言葉なので、その原因であるかのような言い方は少し語弊がありそうとか、まぁそういう枝葉末節なあたりとかだったり、その他いろいろ少し気になったり。他の二ヶ所についてはわからないけれど、多分聞く人が聞くとあれ?と思うこともありそうですね。
全体像としては興味深く、あまり詳しくない面もあって面白く見たスピーチで、これをきっかけに自身の生活を振り返ったりするのに良いんじゃないかなと思うとともに、このあたりの健康や長寿と社会との関係について、より深く知りたくなりました。もう少しがっちりしたスピーチや書籍もおいおい調べてみたいです。まぁ、そういう興味を抱く契機としていい感じですね。
あと、TEDでのスピーチって多くは、多様なテーマで主題はコミュニティの重要性、信頼の重要性、ネットワークの重要性などについて語られることが多いですね。カリフォルニアの気風でしょうか。
しかし、TEDでスピーチする人たちってみんななんでこんなにスピーチうまいのよ。

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