国立天文台三鷹キャンパスを見学してきました

三鷹市と調布市の境あたりにある国立天文台を見学してきました。(※写真は受付で許可を得て撮影・公開しています。)

国立天文台三鷹キャンパス
日本の天文学の歴史は、古くは律令国家が成立した7~8世紀ごろに置かれた陰陽寮にまで遡りますが、継続的に天文観測が行われるようになるのは貞享元年(1684年)、今ベストセラーになっている小説「天地明察」の主人公でもある天文学者渋川春海が貞享暦を策定し、幕府天文方が設置されてからになります。

明治時代に入り幕府天文方の研究をある程度引き継ぐかたちで本郷の東京大学構内に星学科が設置され、同時に、1888年(明治21年)麻布に海軍水路寮によって天体観測所が設置。大正13年(1924年)に現在地である三鷹に移転し、国立天文台として発足したのはつい最近の1988年。日本の天体観測の中核として今も研究の最前線にある施設です。

実は常時一般開放されて、一定のコースに限って自由に見学が出来たりします。ということで僕もその辺の知識はあまりないんですが、見学をしてきました。まずは、正門脇の見学受付窓口で必要事項を記入し、見学者であることを示すシールと見学ガイドの資料を渡され、あとは見学コースに沿って構内を見てまわることができます。

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第一赤道儀室

第一赤道儀室

この第一赤道儀室は国立天文台に現存する最古の建築物で、1921年(大正10年)に建設された建物です。この中には1927年に購入されたドイツカール・ツァイス社製望遠鏡が設置され、1939年から1999年までのおよそ60年に渡り熟練した観測者によって太陽黒点の観測が行われたそうです。

現地の案内板に書かれているちょっとマニアックすぎて僕はさっぱり理解出来ない内容をそのまま引用すると・・・

対物レンズは口径20cm、焦点距離359cmの色消しレンズからなり、赤道儀は速度調整機構付重錘式時計駆動という方式で動いています。この駆動方式では、電気なしで最長約1時間半の天体追尾が可能で、月、惑星、太陽、恒星等の動く早さの違う天体にも対応して追尾が出来るという特徴があります。

1931年頃より接眼部に直視分光器を取り付けてHα線による太陽プロミネンスの形態とその変動について観測を行っていました。その後、1939年2月より太陽黒点のスケッチ観測を定常的に行うようになり、1999年3月まで続けられました。

とのことで、「速度調整機構付重錘式時計駆動」とか「太陽プロミネンス」とかよくわからないけどすごくときめきますね!

太陽系ウォーキング

太陽系ウォーキング
太陽系の距離を140億分の1に縮めて、天体の案内板が道沿いに掲示されています。

太陽系ウォーキング

太陽から水星、金星、地球、火星・・・と並んでいるんですが、火星から木星の距離が長すぎて超すごいです。木星見えない!で、土星まで行ってその次からはさすがに広大な敷地を誇る国立天文台でも直線で設置出来なかったのか、天王星、海王星、冥王星はひとまとめにされてて、それがまた太陽系の広大さを表してて面白かったです。

アインシュタイン塔(太陽塔望遠鏡)

アインシュタイン塔(太陽塔望遠鏡)
1930年に建設され、1998年に有形文化財にも登録されたこの建物は、太陽の精密分光観測を行うために建設されたもので、この建物全体が望遠鏡の役割を果たしており、『アインシュタイン博士の一般相対性理論によって予言されていた「太陽の重力によって、太陽光スペクトルの波長がわずかに長くなる現象(アインシュタイン効果)」を検出することを目的に作られ』ましたが、当初の目的であるアインシュタイン効果の実証は出来なかったものの、『太陽フレアや黒点磁場の研究などで、世界的に注目を集める成果を挙げ』、『天体物理学の源流であるばかりでなく、日本の物理学にとっても記念碑的な意味のある建物』なのだそうです。

大赤道儀室(天文台歴史館)

大赤道儀室(天文台歴史館)
1926年に建設、2002年国登録有形文化財に指定された建物です。この建物には明治期の望遠鏡や日本の天文学の歴史、さらに65cm屈折望遠鏡が展示されています。

65cm屈折望遠鏡

65cm屈折望遠鏡
ちょっとピンぼけですが、日本最大の口径を誇るカール・ツァイス社製の屈折望遠鏡です。その大きさは圧巻。すんごい大きいの。これ、子供のころに見上げてたら、夢見てたと思います。天体観測の夢。子供達がこぞって見えないモノを見ようとして望遠鏡を覗き込んじゃうぐらいインパクトあります。1998年に研究観測からは引退していますが、今でも観測が可能なスグレモノです。

レプソルド子午儀室(子午儀資料館)

レプソルド子午儀室(子午儀資料館)
1880年ドイツ製で、1881年に当時の価格で800円で購入されたレプソルド子午儀が設置されている建物です。この子午儀は月、惑星、主要な小惑星の赤経(天体の位置を表す値)の決定に使われ、1949年に日本初の本格的観測星表「三鷹黄道帯星表」、1962年「三鷹赤道帯星表」の出版に貢献。その後、これらの観測終了とともに活動を終えました。

TAMA300

TAMA300
この地下にTAMA300というレーザー干渉計型重力波望遠鏡が埋設されています。

重力波は時空のひずみがさざ波のように時空そのものを伝わる現象です。重力波の存在は、アインシュタインの一般相対性理論によって予言され、電波望遠鏡による連星パルサーの観測により間接的に証明されていますが、重力波が直接とらえられたことはありません。重力波をとらえることができれば、宇宙のはじまりや超新星爆発の中心部、ブラックホールの表面など、これまでの観測手段では見えなかった宇宙の姿が観測できると期待されています。

ゴーチェ子午環

ゴーチェ子午環

ゴーチェ子午環

子午環は、子午線上の天体の位置(赤経と赤緯)を精密に観測できるように工夫された望遠鏡です。そのため、子午線面内(南北方向)でのみ正確に回転する仕組みになっています。このゴーチェ子午環は1903年フランス製で、1904年に当時の価格にして約2万円で購入されました。その頃天文台があった港区麻布の地でしばらく試験的に使用されましたが、1924年に天文台が三鷹に移転した後、主要観測装置として本格的に稼働し、恒星や月、惑星の位置観測に長い間活躍しました。なお、1923年の関東大震災時は、移転作業のために梱包されていて被害をまぬがれました。

1982年には、新しくできた自動光電子午環と交代して、第一線を退きましたが、1992年より10年間程、再び最新のCCDマイクロメータを装備してクェーサーをはじめとする微光天体の精密位置観測に活用されました。

自動光電子午環

自動光電子午環
こちらは上のゴーチェ子午環に変わって1984年から天体の位置観測に使われた自動光電子午環が設置された建物です。

案内板によると『ドームの南北にあるくぼ地の中には、地上の基準点である「子午線標」があり、光源がおさめられていました。また、ドームの南側に立っている二本の塔には、温度計と風速計がつけられ、大気差の補正も行われ』ていたとのことです。

このように、国立天文台には近代日本の天文学史が詰まっていて、心ときめく経験が出来るすごく面白い場所でした。

これ、不思議なんですが、たぶん子供のころだと上記の巨大な屈折望遠鏡以外は見てもあー、はいはいぐらいだったんじゃないかと思うんですよね。しかし、大人になって見てまわるともう、書いてあることは難しくてよくわからないけど、よくわからないなりに感動の嵐に襲われます。宇宙すげー、太陽系やべー、望遠鏡かっこいいぃぃーー、そういう大人の感動を子供に伝える場として、この国立天文台はすごく良いような気がしました。ぜひ親子連れで訪れてみて欲しい場所です。


大きな地図で見る
京王線調布駅より
京王バス 武91 「武蔵小金井駅」行き
調布駅北口12番乗り場より乗車。
『天文台前』下車。所要時間約15分。
国立天文台オフィシャルサイト

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