調布の総鎮守、布多天神社と大正寺

調布の総鎮守、布多天神社の紹介です。

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布多天神社

布多天神社

布多天神社の歴史

布多天神社はその歴史はかなり古く、延長五年(九二七)に作成された当時の神社の一覧を記した資料「延喜式神名帳」にその記載があるとのことで、それ以前にはすでに創建されていたと推定されています。社伝では垂仁天皇の時代とあるとのことですが、さすがに伝説の域を出ません。
当初、多摩川沿い、現在の布田五丁目付近にありましたが、文明年間(一四六九年~一四八六年)に多摩川が大氾濫を起こしたことをきっかけに現在地に移転。その際にそれまでの祭神である少彦名命(スクナビコナ)とあわせて菅原道真が合祀されます。
江戸時代に甲州街道が整備され、調布一帯の街道沿いに国領、下布田、上布田、下石原、上石原の五つの宿場(布田五宿)が作られると、五宿天神と呼ばれて地域の人々や街道をゆく旅人たちの信仰を集めました。

布多天神社拝殿

布多天神社拝殿
都内の神社の多くが明治以降あるいは第二次大戦の戦災で戦後に再建されたものであるのに比して、この神社の拝殿は古く、宝永三年(一七〇六)に再建されたものとのことです。

調布市最古の狛犬

調布市最古の狛犬

この狛犬は境内で開かれる市の繁栄と商売繁盛を祈願して、寛政八年(一七九六)に建立されたもので、願主に「惣氏子中」と並んで「惣商人中」とあることから、この当時からすでに市が立てられていたことがわかります。境内の案内板によると、昭和の初めごろまでは「古着、古道具をはじめ、農機具、節句雛、鯉幟等庶民生活と深い関係のある商品が取りあつかわれ、特に暮の市はたいへんにぎわっていた」とのことです。
現在でも毎月二十五日に市が開かれています。

布多天神社境内

境内では近所の幼稚園の子たちが先生に連れられて元気よく走りまわってました。

牛の像

布多天神社の牛の像

菅原道真を祀る天神系にかかせない牛の像。

余談ですが、菅原道真と牛は何故セットなのかなーという疑問をかねてから持っていまして、おそらく怨霊であったことと関係があるんじゃないかと思っています。かつては牛は獰猛な野獣と見られていたこと、また牛は疫病神とも深く関係していることなどそういう荒ぶる象徴だったことと、怨霊としての道真というのが結びついた結果なんじゃないかなと、随分前から疑問を持っていて、そのうち調べたいと思っているのですが、思いながら随分経ってしまったので近いうちになんとか調べはじめられればいいなぁと。

大正寺

大正寺
布多天神社の参道沿いにある寺院です。大正寺はこの地にあった栄法寺と小島の不動院、下布田の宝勝寺の三つの寺院が大正四年(一九一五)に合併してできた真言宗系の寺院です。栄法寺の本堂は現在、布多天神社の真横にある大正寺墓地のあたりにあり、それを現在地に移設してきました。

布田郷学校跡

布田郷学校跡
旧栄法寺には明治四年から明治七年にかけて布田郷学校という教育期間がありました。当地の案内板によると郷学校というのは江戸時代中期から明治時代初期にかけての教育機関の名称で、寺子屋や私塾より公共性の高いものを指していたとのことですが、文部科学省HPの学制百年史によると「まだ統一した学校制度が全国に実施されていなかったので、これらの学校は性格も多様であり、名称も一定していなかった。藩立の学校を改造した場合には、学校、藩学校、郷学校などの名称を用い、一般子弟のための初級の学校は小学、小学校、小校、啓蒙所、義校などと称していた。」とのことで、きちんとした分類があるわけではなく、郷学校という名称を使った教育機関が設けられたということのようです。

案内板より
布田郷学校は、発足するにあたり、原豊穰等五宿の有力者たちが中心となって、近隣の村々の協力を得て開校したものであるが、この郷学校は養豚所を経営することによって得た利益を学校の運営費にあて、授業料等一切とらなかったという特色のある学校であった。養豚所の経営不振から明治七年閉鎖し、公立布田学校(現在の第一小学校の前身)となるまで、公立学校に代わる重要な役割を果たしてきた。

という、いわば明治維新の黎明期、まだ国の学校教育の制度すら整っていない時代に社会企業的なスタンスで始められた学校だったようで、当時の熱気のようなものが想像されてちょっと胸が熱くなります。

経営には失敗し、ささやかにその事績が案内板と石碑に残っているだけではありますが、しかし挑戦しようとした人たちがいたという事実は、ひとつの歴史のうねりとして今につながっているんでしょうね。

本堂

大正寺本堂
旧栄法寺の本堂を合併時に移設させたものですが、このように寺院の境内は実に丁寧に手入れが行き届いていてとても涼やかな印象を受けます。

庚申塔

大正寺庚申塔

調布七福神の一つ恵比寿神

調布七福神の一つ恵比寿神

調布七福神の一つ恵比寿神

石仏

石仏
ということで調布駅から徒歩五分程度で行ける神社と寺院はちょっと離れた深大寺同様、静謐な空間が創りだされていてとても心地よかったです。


大きな地図で見る
調布駅北口より徒歩五分
参考サイト
東京都/調布市/祈祷/ご婚礼/学業祈願/【布多天神社】
布多天神社 – Wikipedia
延喜式神名帳 – Wikipedia
甲州街道 – Wikipedia
てらたび(寺旅)寺院紹介
・学制百年史 [総説 一]

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