調布國領神社の千年乃藤と調布不動尊(常性寺)

京王線布田駅近く、甲州街道と三鷹通りが交差する傍にある國領神社です。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

國領神社

國領神社

國領神社

鎌倉時代ころより多摩川沿い杉森(現在の染地2~3丁目付近)の地に第六天社として鎮座していたが、度重なる多摩川の洪水や水害などもあって、寛永一七年(一六四〇)、常性寺の移転とともに現在地に移ってきました。明治時代、神仏分離令以降常性寺から独立し、その際祭神を第六天から神産巣日神に変更。明治八年(一八七五)、國領神社と改称。昭和三十八年(一九六三)、やはり多摩川沿いにあった神明社を合祀し、現在の拝殿に新築している。
いい機会なので少し第六天信仰に触れておくと、仏教の世界観においては、地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人間界、天上界の六道とその上に十界があるとされる。その六道のうち地獄界から人間界までの五つと天上界のうちの下位六つの世界をまとめて欲界と呼び、欲界の最高位に他化自在天という仏教神がいるとされている。例えば戦国武将織田信長が自ら第六天魔王を名乗ったのは有名なところ。

他化自在天は多くの眷属を率いて仏教修行者や人間界にさまたげをなす疫病神的側面が強かったが、疫病神が信仰の対象になるというのはよくあることで、天神信仰などと習合して子育てや厄除けの神として広く信仰された。その他化自在天=第六天魔王を祀ったのが第六天神社だったが、明治の神仏分離令によってその神社のほとんどが第六天信仰を捨て去ることになった。仏教神を祀る神社というのは神道に純化させることを目的とした明治政府の方針の正反対に位置していたからだ。このとき、多くの第六天系神社は祭神を日本神話の神世七代の六番目の神、面足尊・惶根尊に変更を余儀なくされた。この神社は第六天から神産巣日神へと祭神を変更しているが、造化三神を根源神とした本居宣長、平田篤胤らによる復古神道理論の影響であるとの指摘もあるが、そのあたりはよくわからない。

調査によると明治以前は、第六天神社は特に川崎、調布、狛江、世田谷、太田などの多摩川下流域に多く見られていたという。何故この多摩川中下流域に第六天信仰が広がったのかは謎も多いが、とにかく稲荷、八幡などに次ぐ神社数を誇っていたという。それらの神社はほぼ明治期以降の神仏分離から合祀への流れで壊滅していった。郷土に根付いてた民間信仰が、明治という近代国家を背景とした神道に抱合され、共同体の解体へと繋がっていく傷跡である。

・・・と、神社仏閣巡りをしているとついつい神仏分離令についてはナイーブに反応してしまうのだけど、この話はこの程度にして、この神社の見所であり、地域の名所となっている「千年乃藤」がこちら。

千年乃藤

千年乃藤

千年乃藤

樹齢4~500年の古樹です。高さ約4メートル、面積約400平方メートルと圧倒的で、まさに空一面を覆う感じですね。毎年見頃は4月末~5月中旬で、僕が行ったときはすでに6月下旬と見頃はとっくに過ぎて青葉が繁っていましたが、その青葉が日差しをいい感じに遮り心地いい森林浴気分が味わえました。

Youtubeで見頃の時期の様子が見られる動画をみかけたので、あわせて紹介しておきます。

映像を見ると見頃の時期はかなり綺麗そうですね。

調布不動尊(常性寺)

調布不動尊(常性寺)
調布不動尊は国領神社の裏手、旧甲州街道沿いにある成田山系の寺院です。創建は鎌倉時代で、かつては多摩川沿いにあり、慶長年間(一五九六~一六一四)に現在地に現在地に移転されてきました。

不動堂には成田山不動尊から勧請されてきた不動明王像が、薬師堂には鎌倉時代に造像された薬師如来像が安置されています。

一願地蔵堂

一願地蔵堂
こちらは願い事をたったひとつだけ叶えてくれるという一願地蔵が安置された地蔵堂。

馬頭観音

馬頭観音
街道沿いということで、馬頭観音が安置されています。馬頭観音はその名の通り、馬を守護する観音菩薩の変化身の一つで、特に江戸時代後期に街道が整備され物流が盛んになっていくのにあわせて全国各地の街道沿いに、道中で死した馬の供養や、旅の安全を祈るために建てられました。

この像は甲州街道の小橋付近にあったものが近世の甲州街道の拡張工事等にともない寺の敷地に移転されてきたものです。文政七年(一八二四)、近隣十九村および八王子の人々等が協力して建立したものと伝えられています。

調布を歩いてみると世田谷等と比べて馬頭観音や庚申塔などがかなり少なく、逆に地蔵が多い印象を受けますが、これは何か理由があるのかな、と思ったりはしています。街道沿いであることなどを考えるとおそらく多くは近年になって撤去されたのだろうとは思いますが、この地域差は何か理由があるのだろうかという疑問があるので、機会があれば調べてみようかと考えているところです。

ということで、調布地域では深大寺や布多天神社などと比べると比較的マイナーかもしれませんが、その筋の人には楽しめるんじゃないかなという神社、寺院の紹介でした。

参考サイト
・由緒 – 國領神社
国領神社
・第7編 民俗/第1章 民間信仰/第1節 流域に祀られる神々/1.2 地域にみる信仰の相違
・表7.1.2 多摩川流域に祀られる神々
厄除けなら調布のお不動さん 成田山 調布不動尊へ


大きな地図で見る
京王線布田駅徒歩5分

関連エントリー
豚が日本を救う?明治四年の教育ベンチャー「布田郷学校」
近藤勇ゆかりの上石原若宮八幡神社
猫娘が住むという調布の下石原八幡神社
調布天神通り商店街の鬼太郎オブジェ
野川公園と野川(三鷹~調布付近)
深大寺の青渭神社
調布の総鎮守、布多天神社と大正寺
調布の深大寺に行ってきました
神代植物公園、水生植物園と深大寺城址
調布飛行場と武蔵野の森公園
国立天文台三鷹キャンパスを見学してきました
下布田遺跡&染地遺跡&調布の古墳遺跡まとめ
水辺が涼やかな実篤公園と武者小路実篤記念館

沈黙する神―消された「第六天」の謎を解く
小松崎 文夫
小学館クリエイティブ
売り上げランキング: 990259
東京古道散歩 (中経の文庫)
荻窪 圭
中経出版
売り上げランキング: 87719
散歩の達人 2010年 05月号 [雑誌]
交通新聞社
おすすめ度の平均: 4.0

4 街歩きに最適

スポンサーリンク
スポンサーリンク

フォローする

関連コンテンツ

スポンサーリンク
スポンサーリンク