猫娘が住むという調布の下石原八幡神社

下石原八幡神社

江戸時代、甲州街道には街道沿いに四十五の宿場町が作られ、現在の調布市一帯にも国領、下布田、上布田、下石原、上石原の五つの宿場町があり、布田五宿と呼ばれ栄えました。その布田五宿のうち下石原の総鎮守がこの下石原八幡神社です。

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下石原八幡神社の由緒・歴史

創建は、当地の領主太田善右衛門の祖が延宝年間(1673~1681)に勧請したものと伝えられています。太田善右衛門は太田道灌の甥で道灌に使えた太田資忠の末裔とも伝えられますが、定かではありません。太田資忠は応仁の乱に続く享徳の乱の際に千葉孝胤を臼井城に攻め、攻略した際の傷が元で戦死しており、養子も道灌の甥で後に道灌の養子になる太田資家で、その末裔は道灌の末裔と同様に太田資正にまとまっていくので、資忠の一族がいたのかどうか不明。太田氏の末裔かどうかはさておき、わかっているのは土地の有力者である太田善右衛門という人物の祖が、どこかの八幡神社から勧請して創建したということです。

かつては旧甲州街道沿いに参道の入口があり両脇に杉と松の古木が植えられ150メートルに及ぶ長い参道があったと伝えられていますが、現在は国道20号(新甲州街道)が入り口になっています。

下石原八幡神社拝殿

下石原八幡神社拝殿

この神社を有名にしたのは、水木しげるの人気漫画墓場鬼太郎(のちのゲゲゲの鬼太郎)で、同作品ではこの神社の軒下に猫娘が住んでいるという設定でした。

下石原八幡神社と水木しげる作品

少年マガジン/オリジナル版ゲゲゲの鬼太郎2巻「猫娘とねずみ男の巻」P305
「少年マガジン/オリジナル版 ゲゲゲの鬼太郎(2) (講談社漫画文庫)」「猫娘とねずみ男の巻」P305より。

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ちなみにアニメの最新版ではここではなく、妖怪横丁というところに住んでいる設定に変わっているそうで、妖怪の世界にも都市化の波が(笑)

ちなみに、その裏手の中華そば屋さんは今でも健在。

下石原八幡神社裏手の中華そば屋

少年マガジン/オリジナル版ゲゲゲの鬼太郎2巻「猫娘とねずみ男の巻」P306
少年マガジン/オリジナル版ゲゲゲの鬼太郎2巻「猫娘とねずみ男の巻」P306より

初登場時から猫娘はかわいいなぁ。

猫娘だけでなく、かつての水木プロダクション(現在は調布駅近くに移転)からさほど遠くない場所にあるこの中華料理屋さんは建て替えられる前は木造二階建てのアパートだったらしく、そのアパートの二階には、水木プロのアシスタント時代のつげ義春が住んでいました。そして、「ラーメン屋の屋根の上で見た夢」をもとに傑作「ねじ式」を描いたといいます。

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で、神社の紹介に戻りますが。

獅子頭奉納庫

下石原八幡神社獅子頭奉納庫
元禄時代、八幡神社別当源正寺の住職が村祭りの興隆のため、獅子舞を始めたと伝えられ、その獅子舞のために住職自ら作った獅子頭が奉納されています。この獅子頭は現在でも祭礼の際に村中を練り歩き、また社前で奉納される「土俵」の舞の際に使われているとのことです。調布の郷土資料としても貴重な獅子頭です。

下石原神社境内の石柱

下石原八幡神社「堅牢地神」石柱
表に「堅牢地神」横に「天下泰平國土安全天保十三年八月建立」「講中」と刻まれた謎の石柱です。

:::::: JAマインズ ::::::(リンク切れ)
「堅牢地神」とは「地天」ともいわれ、大地を司る仏教上の神で大地を捧げこれを堅固ならしめる神として春分秋分に最も近い「ツチノエ」の日を社日としこの日は土を動かすことを禁忌とし畑仕事を休み地神の塔の前に集まり祀るもの

らしく、天保十三年八月と刻まれていることから一八四二年に作られたものと考えられています。しかし、なぜこの石柱がこの神社にあるのかは全く不明とのこと。猫娘、つげ義春、そして「堅牢地神」と彫られた謎の石柱・・・と、僕はそのキーワードの流れだけで相当胸が熱くなるものがあります。異世界っすなぁ。

あ、猫娘だけにネコさん住んでないかなーと思ったんですが残念ながら遭遇せずでした。ということで、漫画史にひそかに刻み込まれた小さな神社の紹介でした。


大きな地図で見る
調布駅徒歩十分
参考サイト・資料
・:::::: JAマインズ ::::::(リンク切れ)
神のやしろを想う 郷土の鎮守様~調布市布田国領周辺の神社
・下石原八幡神社の堅牢地神塔(調布市富士見町) 駅から歩く武蔵野風土記/ウェブリブログ(リンク切れ)
太田資忠 – Wikipedia
つげ義春を散歩する(調布編)
つげ義春に会いに行く②
・調布市郷土博物館配布「甲州街道と布田五宿」

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