CIAで行われていた13の非人道的尋問手法

アメリカ中央情報局(CIA)ではかつて「テロとの戦い」の名目で拘束者に対し、肉体的精神的拷問と言っていい十三種類の強化訊問手法が取られていたという。以下、ボブ・ウッドワード著「オバマの戦争」(P552-553)より引用。

オバマの戦争
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一、食餌操作。一日一〇〇〇キロカロリーの摂取に減らし、被拘禁者に栄養剤のエンシュア・リキッド一本しか与えない。
二、摂氏二〇度以上の部屋で裸にする。女性尋問官が使われるときも含め、裸体を見られるという被拘禁者の恐怖に付け入ることができる。
三、気をつけ掴み。制御されたすばやい動きでシャツの襟をつかみ、被拘禁者を引き寄せる。
四、壁ぶつけ。柔かい壁面に、被拘禁者を二、三〇回叩きつける。
五、顔押さえ。尋問官が両手の掌で被拘禁者の顔を押さえる。
六、びんた、もしくは侮辱的平手打ち。顎と耳たぶのあいだぐらいの頬を平手で打つ。
七、腹叩き。拳ではなく手の甲で、臍と胸骨のあいだを打つ。
八、狭い場所に閉じ込める。たいがい真っ暗にする。一度に八時間、あるいは一日に一八時間。きわめて狭い場所では二時間以内。無害な虫を入れて、被拘禁者を怯えさせる。だが、この尋問技術は使用されなかった。
九、壁立たせ。両腕をのばし、指が壁に触れるようにして被拘禁者を直立させる。動くことは許されず、一時的な筋疲労を起こす。
十、無理がかかる姿勢三種類。(一)脚をのばして床に座り、両腕をあげる。(二)四五度傾いてひざまずく。(三)前もしくはうしろで手錠をかけ、壁から九〇センチ離れたところから、頭だけで壁にもたれさせる。壁立たせと同じで、これらの姿勢は一時的な筋疲労を起こす。
十一、水浸し。被拘禁者に冷水を注ぐかスプレーする。水浸しにする最長の時間は、低体温症をおこす時間の三分の二。
十二、四八時間以上の睡眠妨害。被拘禁者を立たせ、手錠をかけて、天井に鎖でつなぐ。足は足かせで床に固定する。両手が心臓と顎のあいだにくるようにする。頭より上に手を挙げていられるのは二時間だけだ。小さなスツールに足かせで固定してもよいが、鎖に体重をかけて天井からぶらさがるようにしてはならない。裸にしてオムツをつける場合もある。オムツは衛生のためであり、「被拘禁者を辱めるために使ってはならない」。最長時間は一八〇時間、もしくは一週間以上。そのあとは邪魔されない睡眠を八時間あたえなければならない。
十三、水板責め。被拘禁者を板に紐で固定し、足を高くする。被拘禁者の顔に布をかぶせて、その布の上から四〇秒以上水を流す。肉体的苦痛は無いが、「たいがいの場合、恐怖とパニックを引き起こし」、溺れるような感覚を生じさせる。テロ攻撃が差し迫っていて、被拘禁者がその攻撃を阻止できる使用可能な情報をもっているという、たしかな情報がある場合のみ使用できる。水板責めによる二時間の尋問を一日に二回、五日まで、つづけて行うことが出来る。水を流す一日の延べ時間は一二分以内。(9.11同時多発テロの首謀者ハリド・シェイク・モハメドは、水板責めを一八三回受けた)

これらが行われたのが中世ではなく二十一世紀を代表する先進国で、しかもその中でもエリート中のエリートである人々によって行われたという点に驚きを禁じ得ないが、テロとの戦いという大義名分は彼らに常軌を逸させるに十分であったようだ。やがてこれら認められた組織的暴力の横行がアブグレイブ刑務所における捕虜虐待事件などを生む土壌となり、そしてCIAや政権そのものの信頼性を大きく揺るがすことになる。

バラク・オバマ大統領は大統領就任直後の二〇〇九年一月二十二日、これら強化訊問手法の全廃を定めた大統領令13491号に署名。現在では全て禁止されている・・・はずだ。

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