何故ヤマト乗組員は皆日本人なの?「宇宙戦艦ヤマト2199 第一章」

バンダイチャンネルで「宇宙戦艦ヤマト2199 第一章」が配信されていたので観た。

公式サイト「宇宙戦艦ヤマト2199」

一九七四年から放映されて大ブームになった「宇宙戦艦ヤマト」を三八年振りに現代の技術を使い、スタッフ・キャストを新たにしてリメイクした新シリーズの第一章で、地球が危機に陥り、ヤマトを建造してイスカンダルを目指して飛び立つまでが描かれている。

僕自身はヤマトは少し世代がずれていて、TV、映画とも観た覚えはあり大まかなあらすじは知っているが、主題歌はフルに歌える、波動砲がどーんと迫力あった~とか、デスラー総統の顔色が悪かった、とか、白色彗星の音楽がインパクトあった、といった断片的で漠然とした記憶しかない。なので情熱が呼び覚まされて思い出話に花が咲く、というような感じでは全くなく、例えば古代君ってお兄さん居たのかーみたいな、こんな話だったのかーという再発見をしながら観る感じだった。

そんな僕が宇宙戦艦ヤマトに対して子供のころから漠然と抱いていた疑問が、何で地球の危機を救うのに、乗組員は日本人だけなのだろう?という至極どうでもいいけれど、一つ間違えばなんだかとんでもない方向に思考が進んでしまいそうなものがあった。案外日本のアニメだから全員日本人にした、という単純な理由なのかな。あるいは戦艦大和という旧日本軍を代表する戦艦がモデルなのだから日本人であるべき、という素朴なナショナリズムが背景にあったかもしれないが、そこらへんはまぁ、特にどうという問題でもない。

それで、今作を観ていると、その理由が直接的に描かれている訳ではないが、状況から推測すると、こういうことらしい。

ガミラス星からの攻撃によって地球表面に人類が住むことが出来なくなり、それぞれの地域で地下都市を作ってガミラス軍からの攻撃を耐え凌いでいた。で、旧日本にある極東管区でイスカンダル星とのコンタクトに成功し、汚染された地球にテラフォーミング技術を持ち帰るため、イスカンダルからの技術供与を受けるかたちでヤマトの建造が始まった。

しかし、各地域とも地下都市に籠って各々で頑張るのが精いっぱいで地下都市間での人的交流までは困難なため、あとは極東管区が独自に進めざるを得ないヤマト計画に希望を託すという状況になっていた、と。作中で諸国の代表がテレビ会議を通じて、力になれずすまない、という感じに謝っていた。ヤマト発進時のエネルギー供給は世界中から行われていたので、人的支援は無理でもバックアップはあったということらしい。

ああ、なるほどー、だからヤマト乗務員はみんな日本人だったのか、と子供のころからの漠然とした疑問が氷解したので、良かった。そういう背景で地球の危機にも関らず諸国から人的な支援を受けられず、さらに度重なる戦争で人材が枯渇してほぼ若手でその任を負わざるを得ない、という切迫感がよく伝わってくる。

それだけに、前半の古代兄さんの戦死シーンはちょっと残念。一人でも人材は惜しいという戦況で、イスカンダルから輸送されるヤマトの最重要部品確保のため敢えて艦隊丸々使っての陽動作戦を展開し、多大な犠牲を払いつつも見事成功。あとは損害を最小限にして撤退という状況にも関わらず、古代兄さんは、後半明らかにされる通り将来ヤマトの戦術長のポストが予定されているにも関わらず、わざわざ部下を道連れに自分から望んで死にに行ってる。さすがに観終わった後あれは愚行以外の何物でもないなーという感想だったなぁ。

例えば、ベタだけど、沖田艦長ら第一艦隊の残軍と一緒に撤退を図るが、予想以上にガミラス軍の追撃が厳しくて、最早撤退を成功させるために誰かが犠牲にならなければ無理だ、そこで沖田艦長を生かすために自分が殿軍を務める、みたいな、本編の様な望んで攻撃を仕掛けるのでではなく、止むを得ない行為として描けば、その後の古代弟くんたちのエピソードや、もう後がない切迫感が一層高まったんじゃないだろうか。

残念なのはそれぐらいで、他は予想以上に面白かった。艦隊戦の各戦艦の砲塔のにゅるにゅるした動きとか、アニメ主人公定番の情熱の赴くままに命令違反して怒られる展開とか、乗組員候補者たちがそれぞれの思いや、家族などとの別れを経てヤマトに集まって来る様子とか、王道をきっちり作り上げている印象で、時間が早く感じるいい作品だ。

やっぱりこういうセパレーション(旅立ち)-イニシエーション(試練)-リターン(帰還)な構成の英雄神話的物語は、旅立ちの段階での仲間集め部分にどれだけ濃密なドラマをつぎ込むことが出来るか、がミソで、そういう意味でこの作品は良作だなぁ。

第二章は六月三〇日から劇場公開、七月二七日にBD・DVD発売で、以降順次発売されるとのこと。楽しみにしておきたい。

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