全ての資金は米国市場に通ず、という図

経済産業省「通商白書2007年版」に「米国への資金流入の仕組み」としてわかりやすい図が紹介されている。

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『中東の産油国は、以前から石油輸出代金の決済用口座をイギリスやヨーロッパの銀行に置いていたので、巨額のオイル・マネーは、イギリスやヨーロッパの銀行を経て米国に流入した。また貿易面では、米国が最大の貿易赤字国であることから、ドルはいったん貿易黒字国である中国、日本、ドイツ、NIEs、ASEAN4、(中国以外の)BRICsに流れたうえで、貿易黒字国による米国債や米社債の購入というかたちで米国に還流した。』(正村 俊之 「グローバリゼーション-現代はいかなる時代なのか(有斐閣Insight)」P109)

1990年代後半から2000年代にかけて、世界中の資金はヨーロッパからの流れとアジアからの流れの二つのルートを通して米国金融市場へと流れ込み、そこから世界中へ再分配されるというフローになっていた。これが当時の米国経済の活性化へと繋がり、米国経済の好況、ITバブルや住宅バブルなどを生み出す要因となっていた。

2000年代の世界経済を支えていたのが、世界的な経常収支不均衡を前提とした米国への資金の集中という不安定な体制であったから、住宅バブルが崩壊すると世界中に負の連鎖を巻き起こすことになった。特に『証券化という技術によって、サブプライム・ローンに内在する高いリスクが断片化されながら他の無関係な低リスク商品に組み込まれた』(正村P111)ことでリスクが世界的に拡散されており、住宅バブルの崩壊と金融危機の波は文字通り世界中に波及して企業だけでなく国すらも揺るがすことになった。という簡単な流れの整理としてメモ。

グローバリゼーション-現代はいかなる時代なのか(有斐閣Insight)
正村 俊之
有斐閣
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