武蔵国分寺跡

去年(2011年)の十二月ごろ、武蔵国分寺跡に行きました。
武蔵国分寺跡石碑

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武蔵国分寺概略

聖武天皇の治世下、相次ぐ災害や天然痘など疫病の流行、天平九年(七三七)には、その天然痘による政権中枢の要人であった藤原四兄弟の死と大宰府の長官であった藤原広嗣の反乱など世は乱れに乱れていた。そこで天皇は仏教による鎮護国家を目指して、天平十三年(七四一)、日本中に国分寺の建立を命じた。

武蔵國においても、当時遣唐使によって伝えられた最新の思想である四神相応思想に沿って国分寺建立のための土地が選定された。建立されたのがいつなのかはっきりとはわかっていない。様々な調査から七五七年~七六五年ごろだと考えられている。以後九世紀半ばごろまで整備拡充されていき、政権の衰退とともに諸国の国分寺と同様に十一世紀ごろまでに衰退、元弘三年(一三三三)、鎌倉幕府軍と新田義貞軍の天下分け目の戦いとなった分倍河原の戦いの影響で炎上して焼失した。以後武蔵国分寺跡として現代へと至る。江戸時代には観光名所として有名であったらしい。

武蔵国分寺復元図

武蔵国分寺復元図

九世紀、承和十二年(八四五)ごろにかけて全盛期を迎えたが、その頃の僧寺の規模は北辺627.7m、東辺580.2m、南辺716m、西辺534,7mで、武蔵国分寺に関する遺跡は住居跡などを含めると東西約1.5km、南北10kmという広範囲に広がっている。

武蔵国分寺跡

武蔵国分寺跡

武蔵国分寺跡

昭和三一年(一九五六)の初調査以来発掘調査が繰り返し行われて遺構の全体像が徐々に明らかになった。僧寺の礎石が今でもみることが出来る。等間隔で埋められた石から当時の建物をぼんやりと想像しながら歩くことができる。

礎石

武蔵国分寺跡礎石
こちらは本堂用の礎石が集められた場所。

金堂址

武蔵国分寺金堂址
丁度この場所に日本最大規模の国分寺金堂があったとされている。間口七間、奥行き四間と幅36mに及ぶ巨大な金堂だったという。

中門址

武蔵国分寺中門址
間口三間、奥行二間、八脚門であったという。

武蔵国分寺の猫

武蔵国分寺の猫

武蔵国分寺の猫

武蔵国分寺の猫
何故か猫さんたちが遺跡のあたりに多く集まっていて、猫天国になっていた。かつての僧侶たちだったりするのかも、などと妄想する。

七重塔跡

武蔵国分寺七重塔跡

武蔵国分寺七重塔跡

武蔵国分寺七重塔跡復元図

国分寺には七重塔を作ることが義務付けられ「其造塔之寺兼為国華」(七重の塔を持つ国分寺は国の華である)と謳われたが、承和二年(八三五)、落雷で焼失したという。承和十二年(八四五)再建されたと伝わる。現在七重塔跡とされているのは創建当初の場所だが、ここから西に55mの位置に仏塔跡と考えられる遺構が発見され、現在地の七重塔跡からの発掘物より新しいことから再建された塔の跡地ではないかと考えられているという。

七重塔は再建後のもので高さ60m以上であったとも考えられ、当時日本有数の規模を誇る仏塔であったと考えられている。

現在は何もない空地にかつて日本最大規模の大伽藍と七重の塔がそびえ、四神相応の地を睥睨していたと妄想しながら歩くと、もう妄想世界から抜け出せなくなりそうで、かなりやばかった。何もない史跡ってのは、訪れた人にとっては何でもあるってことなので、想像の翼を羽ばたかせると本当に遠くまで飛んで行ける。そしてかつて壮麗な大伽藍であった名残を残しつつ時を経て荒れ果てた国分寺は、鎌倉幕府の滅亡を目前にして業火に包まれ全てを焼きつくす。そのおよそ700年を駆け巡りながら歩いていた。

国分寺仁王門

国分寺仁王門

国分寺薬師堂

国分寺薬師堂
どちらも江戸時代宝暦年間(一七五一~一七六三)に再建されたもの。仁王門は建武二年(一三三五)に再建された旧薬師堂に使われていた建材を再利用して建てられたもの。薬師堂は当初は今の金堂付近にあったが分倍河原の戦いで焼失し、新田義貞の寄進によって建武二年(一三三五)に再建、その後宝暦年間に現在地に移築・再建された。奉納されている木造薬師如来像は鎌倉末期の作とされているが詳細不明、十二神将は元禄二年(一六八九)に造られたものだという。

土師堅穴住居跡

土師堅穴住居跡

薬師堂からほど近い場所にある、昭和三一年の調査の際に発見された国分寺と同時代ものと推測される堅穴住居跡。4m×4.2m四方のほぼ方形の住居跡で、煮炊きした竈が北壁に二か所、東壁に一か所設けられているという。

ということで、妄想力的な意味でかなりエキサイティングな史跡でした。国分尼寺跡についてはまた後日。


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参考
・「武蔵国分寺跡資料館解説ノート」1~7
・「武蔵国分寺跡資料館だより2012.4創刊10号記念特別号」
武蔵国分寺跡 – Wikipedia

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