七〇〇万年の地層を分ける境界「鐙摺の不整合を示す露頭」

先日紹介した鐙摺城址から渚橋交差点方向へ数百メートル、葉山町を抜けて逗子市に入った切通しの道の脇に天然記念物「鐙摺の不整合を示す露頭」がある。

鐙摺の不整合を示す露頭

地層は様々な堆積物が年代ごとに順に溜まっていくことで形成される。年代ごとに堆積物の成分から違いがみられるが、その堆積の仕方によって、重なる二つの地層間に著しい時間隙がなく概ね連続的な状態を「整合」、隆起して削られた上に新規に堆積するなど地層間に相当の時間間隙があるものを「不整合」と呼ぶ。通常、地層は水中にあるなど観察することは難しいが、それが観察できる場所を「露頭」と呼ぶ。

その不整合な地層を観察できる露頭として有名な個所の一つがこの逗子葉山間の境界付近にある「鐙摺の不整合を示す露頭」で、神奈川県指定の天然記念物になっている。

画像は逗子市指定天然記念物一覧より。
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三浦半島の地層は古いものから順に鴨川層、葉山層・三浦層群、上総層群・相模層群に分類されるが、この鐙摺の不整合は約一五〇〇万年前の葉山層の上に八二〇~五六〇万年前の三浦層群逗子層が堆積しており、この不整合面はおよそ七〇〇万年以上の時間間隙があるとされる。

鐙摺の不整合を示す露頭

鐙摺の不整合を示す露頭

上の地層と下のプレートの案内を見比べてもらえばわかるように、素人目にもはっきりとその境界が見て取れる。七〇〇万年を分ける境界だ。現地で見た際はすごくわくわくさせられた。また、興味深いのはその葉山層部分に横穴として第二次大戦中に防空壕が掘られていた点だ。その防空壕跡が戦後埋められているが、その跡もまたはっきりとわかる。防空壕跡の横穴と葉山層の境界は一五〇〇万年を分ける境界でもある。天然の不整合と人工の不整合とが共存する場所でもあり、非常にロマンがあるなぁと感慨深い。

ということで、地層オタ必見のスポットだと思います。

参考サイト
・逗子市指定文化財一覧
かながわ露頭マップ 「鐙摺の不整合」小田原 啓(神奈川県温泉地学研究所)
三浦半島の地層・地質
地層 – Wikipedia

大きな地図で見る
逗子駅よりバスで海岸周り方面「鐙摺」下車

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