大河ドラマ「八重の桜」の視聴率が低迷しているらしい

大河ドラマ「八重の桜」の視聴率も芳しくないらしい。

Audience Rating TV > 視聴率 > NHK大河ドラマ」によると1話(21.4%)、2話(18.8%)、3話(18.1%)、4話(18.2%)、5話(18.1%)、6話(15.3%)、7話(17.5%)、8話(15.6%)、9話(15.1%)、10話(12.6%)、11話(14.3%)で、11話時点での平均は17.08%。過去10年で2012年「平清盛」の年平均12.01%、2003年「武蔵 MUSASHI」の年平均16.66%に次ぐワースト三位の低さということのようだ。このまま行けば清盛に次いでワースト二位になるかもしれない。

理由はいろいろあるのだろうが、というか、そもそもCMを流さないNHKで視聴率を気にする必要があるのかどうかわからないのだが、最近、去年に続いてメディアで視聴率の低さを理由にして、それっぽい「失敗の原因」が語られているのをよく見かける。個人的には去年の清盛以上に面白く、物語の前半ということもあって色々巧みに伏線張り巡らせて、後々回収されていく過程で作品が輝いていきそうな予感がしているので、視聴率の高低に左右されず今のまま突き進んでほしい。史実も上手く織り交ぜていて、流石は「ゲゲゲの女房」の山本むつみさんというところか。

慶喜の抜群に切れ者だけど欠片も信用できないしょっぱい言動が非常にハマっていて出てくるだけで草生やさずにはいられない。また個人的には秋月さん好みです。秋月さん繋がりで後半小泉八雲とか出ないかな、と淡い期待を抱いてみるが、まぁさすがに維新後はフェードアウトするんだろう。あと八重のところに目を輝かせて教えを請いにくる男の子たち、ズルいぐらいにキラキラさせた演出で数年後を想像して出てくるだけで泣けるんですけど。

視聴率の低落傾向がどういう変化によるものかわからないけれど、最近、テレビに対する接し方のズレってあるなぁと思うようになった。家族で観るテレビって、基本的には家族のコミュニケーションが主でテレビは従、夜八時だったらご飯を食べながら、晩酌しながら話す会話のネタの一つとしてテレビが存在する。女優を見ながら最近この人きれいになったねぇ、サッカー見ながらああ今の惜しい、バラエティ見ながら一緒に突っ込みを入れ、旅番組でああここ行きたいね、という感じ。

それに対して大河ドラマの作りは、張り巡らされていく伏線、一年単位でゆっくりと進んでいくストーリー、次々登場するキャラクター、歴史知識を踏まえた世界設定、人間関係の機微の繊細な描写、人の生き死にや重いテーマ、見逃すと内容を見失ってしまう構造など、どうしても見る側は作品を主として接っさないといけない作りになってしまう。

家族がみんな大河ドラマ・歴史好きでなければ、あるいは放送中ある程度のテレビへの集中をすることをコンセンサスにする環境でなければ、大河ドラマは話半分で適当に観て楽しめるコンテンツとはなり難いので、大河ドラマを積極的に楽しもうとするなら自ずと個人で鑑賞するものになるんじゃないだろうか。家族で観るなら(歴史好き一家でない限り)大河ドラマより「劇的ビフォーアフター」観る方が格段に話に花が咲くだろう。

大河ドラマを楽しんでいる人って、一人で観ているか、家族内で大河ドラマを観ることをその時の中心にするのが暗黙の了解になっていたり、あるいは家族内で自身がチャンネル権を握っていて、それに周りが追随しているという環境の人が多いのではないか。僕もリアルタイムでは観ずにNHKオンデマンドで配信されてから一人でヘッドホンして観ている。そういえば大河ドラマを始めテレビの実況ツイートが流行するのもこの流れだろうか。

このあたりはよくわからないのだが、この元々あったであろうズレが何かの拍子にか、ゆっくりとした何らかの変化があったか、ともかくここ数年表面化してテレビを見るときの選択肢として大河ドラマと大河だけでなく一般のドラマが大きく候補から外れるようになってきた。テレビはみんなで楽しめるかどうか、見ながら話しのネタにできるかどうかが最優先の選択肢になったということだろうと思う。

とはいえ大河ドラマってかつては家族みんなで楽しむ的な立ち位置だったような気もするので、もっと違う何かの契機・変化があるのかもしれない。

良いドラマかどうか、上手いドラマかどうか、面白いドラマかどうかじゃなく、一緒に観ている人と「良いドラマだね」「上手いドラマだね」「面白いドラマだね」と言いあえる作品かどうか、が受けるドラマの最大の基準になっているような気がする。でも、それでもドラマを積極的に観るという態度を前提とした基準なので、もっと刺身のツマ的な位置づけのコミュニケーションのネタになるコンテンツの方が、ゴールデンタイムと呼ばれる家族で観る時間帯のテレビには向いているのかもしれない。ということで、最適化されたコンテンツであるところのバラエティが溢れているということになるんじゃないか。

まぁ、ドラマにしろ映画にしろアニメにしろ独りで楽しむというスタンスをいつの間にか育んでしまったせいで、みんなでドラマや映画を見るという行為は非常に戸惑いがある。アニメも大河ドラマも概ね録画かオンデマンド配信で観るし、映画は最近殆どみないけど基本レンタル(もうちょっと作品ラインナップ充実したらHulu入るんだけど)だしで、テレビ番組をテレビでリアルタイムに観る機会ってほぼ無いのだが。

そういうわけで大河ドラマはどう転んでもみんなでわいわい観るという作品には出来ないので、ならばいっそ孤独をこじらせた人向けに最適化するといい、というよくわからない話になってしまうのもアレなので、例えばオムニバス形式の大河ドラマとかどうだろうか。五〇話かけて一人の人生を描くのではなく、一〇話で一人×五人で五〇話という感じ。以前の大河ドラマでも似た作りでありませんでしたっけ。炎立つとか。

もちろん、オムニバスなのでただ五~六人描くわけではなくある程度テーマや時代、地域などを区切って五~六人を取り上げ、それぞれの人生やエピソードから、歴史の大きな流れが浮かび上がってくる感じだったりすると面白くなりそうだなぁ。一年がかりで観ないといけない訳ではなく、二~三か月で一人の話が終わるのでより見やすいと思う。

例えば、あくまで例だけど鎌倉仏教をテーマとするなら法然、親鸞、日蓮、一遍、栄西、道元の六人。とはいえ鎌倉仏教といえば貧者救済、ハンセン病、疫病、非人などの差別問題に切り込まざるを得ないのでもちろんすごい限界がある、というかテレビ媒体では色々無理。

そこまでエッジが効かなくとも例えば、江戸時代の豪商というテーマで河村瑞賢(先駆者)、淀屋常安(大阪商人)、三井高利(伊勢商人)、中井源左衛門(近江商人)ともう一人、紀伊國屋文左衛門あたりの五人。江戸時代の商人の強欲と爛熟を堪能できる。毎週のように小判がばらまかれ金ピカになるアゲアゲな大河に。コミカライズは本宮ひろ志。

あるいは明治の農民一揆で、隠岐コミューン(島根)、会津世直し一揆(福島)、上州騒動(群馬)、武一騒動(広島)、秩父事件(埼玉)の五つとか・・・はマニアックすぎるか。隠岐島で維新のどさくさに代官追放して自治政府を樹立した隠岐コミューン事件で始まって、政府軍VS鉄砲三千丁で武装した農民反乱軍の秩父事件でクライマックスとか、それぞれ余裕で地域おこしでき・・・るかわからんけど、大河ドラマ激熱になると思う。ただし全部鎮圧されるか失敗に終わり、概ね処刑エンドというのが難点・・・。

もう少しオーソドックスに考えるなら荻原重秀、新井白石、享保の改革、田沼意次、松平定信、水野忠邦で同時代人同士を絡めつつ経済政策への取り組みと対立を中心に描いて、毎話紀行の代わりに池上さんの解説が付き、最終話は、ええじゃないかを囃し立てる民衆の様子を後景にしつつハイパーインフレと金流出の中幕府崩壊で感動の嵐に。

上記はあくまで例というか軽いネタ気分で挙げただけなので、もっと現実的で一般受けするチョイス、例えば明治・大正の文豪や実業家、戦国武将などで、それぞれのエピソード単体でも観れて、かつ、全体を通してみると何らかのテーマや歴史のうねりが見えるちゃんとした作りにすると、「大河」ドラマ的になるんじゃないかと思うのだがどうだろうか。

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