1470~1710の欧州列強の兵動員数の変化

欧州中近世の兵動員数の推移

山内進「掠奪の法観念史―中・近世ヨーロッパの人・戦争・法」に1470年から1710年までのスペイン、オランダ、フランス、イングランド、スウェーデン、ロシアの兵員数の変化をあらわした表が掲載されていたので紹介。同書も[Geoffrey Parker,The “Military Revolution,” 1550-1660–a Myth?, Journal of Modern History,vol.48, 1976,p195 ff]からの引用で、この図が正規軍だけなのか、それとも傭兵などまで含んだ数字なのか、騎士だけか歩兵も含んだ数なのか(たぶん傭兵・歩兵込みだと思うけど)、根拠資料は?などなど詳細は不明なのであくまで参考程度ということで。

特に三十年戦争(1618-48)は兵動員数の著しい増加が見られ、旧来のテルシオ形式からグスタフ2世アドルフによる旅団の活用へ、などの戦術面だけでなく兵動員つまり兵站面でも軍事革命が起きていた、というお話。旧来の騎士階級が没落し、君主権の強大化にともなう戦争規模の拡大が傭兵の活用を生むという流れにあった。ドイツ(神聖ローマ帝国)は無いけれど、確か三十年戦争時、皇帝軍総司令官のティリー伯は4万、ヴァレンシュタインは最大10万の軍を動かしていたように記憶しているので大体その範囲じゃなかろうか。

しかし、スペインの没落っぷりは祇園精舎の鐘の声が大音量5.1chで四方八方から響き渡るレベルで、もののあわれ(自業自得)が止まらない。ルイ14世治世下のフランスの無駄に多い兵力が後の財政危機を予感させたり、オランダの効率の良さ、ピョートル大帝治世下でのロシアの躍進など色々見えてきて面白いです。エリザベス女王頃までのイングランドは弱小国と云われていますが兵動員数でもそれを裏付けているなぁ。あと、いわゆるオランダ=スウェーデン複合体も両国で他国を圧倒出来る数だし、大北方戦争で下手打ったのは相当ダメージ大きかったんだなぁと。

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