「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」感想~武士としての美少女麻雀バトル

2012年4~7月に放送され未完のまま不定期に13~16話が配信されていた「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A」が一年がかりでやっと完結した。本編「咲-Saki-」の外伝で本編シリーズ同様に熱い麻雀バトルアニメということで、続きを楽しみにしていたので、最終回まで観ることが出来て良かった。

一応主人公は阿知賀女子メンバーではあったけれど、シリーズ全体の主人公は咲がいる清澄高校だし、準決勝は千里山高校がほとんど主人公格の扱いだったし、照おねーちゃんは鬼神の強さだったしで、阿知賀敗北という展開も充分想像出来たから先の見えない緊張感がありました。

やはり本放送のクライマックスとなった準決勝先鋒戦が熱い。まさに死闘。本編シリーズと比較しても圧倒的な強さの宮永照に立ち向かう三人という構図だけど、特に一巡先が読める身を削って戦う園城寺怜と、絶対飛ばないタフネスすばら先輩こと花田煌の敵同士の阿吽のコンビネーションは一分一秒も目を離せないカッコよさで色々込み上げるものがありました。

絶対飛ばないという特徴から各チームのエースが並ぶ先鋒に捨て駒として配されたことを知ったすばら先輩の名台詞「捨て駒、任されましたァ!」には思わず感涙だけど、それ以上に不屈のメンタルと献身的かついぶし銀の打ち回しには惚れ惚れさせられます。渋い、渋すぎる。

怜の身を削る戦いぶりもさることながら、死闘の色合いが色濃く出ているのは、彼女たちの行動原理が戦士のそれだからだと思います。中世の武士たちは、「意地」や「一分」などの体面を守り抜き、主従関係では無く『自分がほれた上司のためには命をかける』(山本 博文「殉死の構造」P159)直接的、情誼的な特に同性愛的な人間関係を重んじた、という。

彼女たちは萌え系美少女で、舞台は麻雀だけれど、その実、戦場で命を賭ける武士とよく似ている。仲間との関係の多くが、例えば新道寺の白水部長と姫子、千里山の竜華と怜、阿知賀の赤土監督と灼など百合的=同性愛的なのも武士に通じる。竜華との百合関係を支えに戦う怜の自己犠牲的戦いぶりは”死狂ひ”とすら言えそう。そんな仲間への献身と自己犠牲を積み重ねてもなお、運命に左右されて最後に勝敗が決まる非情さもまたヒリヒリとする。

そのような戦争の代替としてのスポーツ麻雀、戦士的行動原理に基づく美少女たちの仲間関係を横軸にして、縦軸ではスポーツ作品王道の、仲間に支えられての自己の成長、乗り越えるべき壁の超克、戦うべき相手との正面からの激突、などをそれぞれの個性が際立つように、異能バトル的エンターテイメントとして丁寧に描かれていて、毎試合、あらゆる登場人物たちの一挙手一投足が熱い。

穏乃の能力はいまいちよくわからんかったけど、ドラゴンロード玄ちゃんの渾身のドラ切り、新道寺の白水部長の思わず「白水哩はキリスト超えた」と言いたくなる自らを束縛しての生け贄的戦いぶり、江口セーラの徹底して前に進む男前ぶり、憧の小気味良い本格派な打ち方、船Qのクールで常人を寄せ付けない分析力など色々見所ありありだけど、やっぱり小鍛冶プロと赤土監督の再会は良かったですね。赤土さんの過去に呪縛されてどこか前に進めない袋小路感は大人なら何かしら共感してしまうだけに、「へこむなら前へ進みつつへこめばいい」は、さりげない一言だけどぐっと来た名言でした。

しかし、タコスさんと玄ちゃんだとあの照と戦えるイメージがわかない・・・てか、東場に強いタコスさんはドラが無いと東場の勢い半減でドラを独占する玄ちゃんと相性悪そう。さらに南場に失速するタコスさんと、手に縛りがある玄ちゃんだと照の鬼の連荘がますます無双状態に・・・あともう一人のメンツ次第かぁ。ということで、製作決定しているという本編二期が待てない。

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