何故、富士山の登山車道は全て五合目までなのか?

富士山に登山鉄道構想 過去には山頂までの計画も  :日本経済新聞

富士山の登山車道(富士山スカイライン、ふじあざみライン、富士スバルラインなど)は全て一つの例外も無く五合目までしか伸びていないが、これは主に山岳信仰的理由により六合目より上が聖域だとされているからだという。

渡邊定元・佐野充編「富士山を知る事典」収録長野覺論文「富士修験と自然保護―神・仏・神仙を習合した修験道の自然守護―」によると、富士山は修験道の行場として大体十二世紀ごろからの歴史があるが、その修験道において修行の区分とされている十界修行区分が意識されており、富士山の合目区分にも影響を与えていると考えられている。同書P230の表を元にして改変・作成した「修験道の十界修行に比定される富士山の十合区分」表を紹介しておく。

「修験道の十界修行に比定される富士山の十合区分」表

あくまで修験道の修行の目安であるので、当然のことながら一般登山者は「寒暑や風雨をついて登」ったり「空腹や喉の乾きに耐え」たり、「荷物の重さをいとわずに登」ったりしてはいけない。

宗教的理由からの登山車道の五合目までの制限であったが、その結果として六合目以上で自然環境がよく保存されることになっている、という。

上記のニュースで様々な案が紹介されているが、技術的な可能性、自然環境保護の観点とともに、信仰への配慮という視点も、世界遺産の文化遺産としての認定が「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」であるだけに、非常に重要です。今後、世界遺産に認定されたことで、特に聖域視されてきた六合目から上の景観をどう保護するか、が色々報道の通り課題となっている。個人的には山岳修行者・宗教関係者・保存作業従事者・ボランティア以外六合目以上立ち入り禁止で、一般登山者は年に一定期間のみ登山可ぐらいでも良いと思うのだが。

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