夏休み、日本史に夢中になれるオススメ本25冊まとめ

学びの夏 日本史に夢中になれる本ランキング  :日本経済新聞

日本経済新聞で上記のような特集をやっていたので、僕も真似して日本史に夢中になれるんじゃないかと思う面白い本を選んでまとめてみる。全25冊。通史的なのは上記の記事を参考にしていただいて、この記事では個別の時代やテーマを取り上げた本を中心に。一応取り上げられている時代の古いものから順に並べてみます。個人的な好みから中世・近世史、宗教史、社会史が多めになっております。

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「DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?」崎谷 満 著

ミトコンドリアDNAを元に日本列島の人々のY染色体の分布状況を調べて出アフリカからどのようなルートを辿ってそれぞれのハプログループが日本列島に辿り着いたかを調べた本。遺伝子の差異とともに比較言語学の観点から日本人の多様性を浮き彫りにする試みがなされている。

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「DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?」崎谷 満 著

「アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る」溝口 睦子 著

アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書)
溝口 睦子
岩波書店
売り上げランキング: 27,612

アマテラスが皇祖神になるプロセスから古代王権の成立過程を解き明かす概ね現代古代史の通説を簡単に紹介した本。当然ながら通説とはいえ古代史なだけに賛否両論でもあり、あくまで古代史の入り口としての一冊かなと思う。興味が出たら同書の参照文献から色々探っていくと良いでしょう。

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「アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る」溝口 睦子 著

「殴り合う貴族たち」繁田 信一 著

殴り合う貴族たち (角川ソフィア文庫)
繁田 信一
角川学芸出版
売り上げランキング: 239,057

平安時代の武士たちは、一般的なイメージとは違い、年がら年中殴る蹴る奪う殺す犯すを繰り返していたという衝撃の事実を当時の日記から採取した不良貴族喧嘩集。平安時代のイメージをがらりと塗り替えてくれる。

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「殴り合う貴族たち」繁田 信一 著

「神道の成立」高取 正男 著

神道の成立 (平凡社ライブラリー)
高取 正男
平凡社
売り上げランキング: 117,969

中世の神道誕生の過程を丁寧に探った定番の名著のひとつ。底本は1979年で、これ以後様々な研究書が出ているのだけど、とりあえずこれを読んでから各種神道関連の入門書を読んでいくのが良いんじゃないかと思います。

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かつて天皇は「天の羽衣」を身にまとい祭祀王となった
拍手が変えた日本の歴史~道鏡を滅ぼした憎悪の正体

「神仏習合」義江 彰夫 著

神仏習合 (岩波新書)
神仏習合 (岩波新書)
posted with amazlet at 13.08.04
義江 彰夫
岩波書店
売り上げランキング: 199,903

仏教の受容から既存の神祇信仰との習合という神仏習合の過程を主に社会の構造変化の過程から読み解くコンパクトな新書ながら過不足ない内容の一冊。ただし信仰や教義など宗教として神仏習合という現象がなんだったかについては弱いので、別途色々読んでいくのがよろしかろうと。

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現代人のための神仏習合入門その1「神仏習合のはじまり」
現代人のための神仏習合入門その2「跋扈する怨霊、翻る反旗」篇

「贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ」 桜井 英治 著

贈与の歴史学  儀礼と経済のあいだ (中公新書)
桜井 英治
中央公論新社
売り上げランキング: 132,756

現代日本社会にも根強く残る贈与慣行のルーツが成立したのが鎌倉時代のことだという。その過程と中世鎌倉・室町時代の超市場経済下の贈与経済の様子について様々な史料から描いた本。中世の「世の中ゼニやゼニ」的身も蓋もない感じが非常に興味深いのです。

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「贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ」桜井 英治 著
いかにして中世日本で市場経済が浸透したか?

「喧嘩両成敗の誕生」清水 克行 著

喧嘩両成敗の誕生 (講談社選書メチエ)
清水 克行
講談社
売り上げランキング: 274,345

弱い奴は死ね!敗者からは奪え!そんな中世日本の自検断(自力救済)社会で法慣行として成立していく喧嘩両成敗という法を通しての日本の秩序維持システムの成立過程が描かれる、日本法制史を理解する上でぜひ読んでおきたい一冊。読むと中世人のヒャッハー!という叫び声がこだまします。

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「喧嘩両成敗の誕生 (講談社選書メチエ)」清水 克行 著

「鎌倉幕府の滅亡」細川 重男 著

鎌倉幕府の滅亡 (歴史文化ライブラリー)
細川 重男
吉川弘文館
売り上げランキング: 511,493

日本史上、明治帝国と並んで壮絶に瓦解した鎌倉幕府滅亡の過程と要因を整理した一冊。社会・経済構造の変化、政治抗争、改革の挫折、統治機構の弱体化、格差拡大など普遍的であるがゆえに、現代社会にもどこか通じる破滅のプロセスが浮き彫りになります。

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鎌倉幕府は何故滅亡したのか?
鎌倉時代の富と権力を独占した特権的支配層まとめ
源頼朝死後の権力闘争粛清バトルロワイアルまとめ

「異形の王権」網野 善彦 著

異形の王権 (平凡社ライブラリー)
網野 善彦
平凡社
売り上げランキング: 78,662

後醍醐かわいいよ後醍醐、という一冊。敵失で地滑り的に政権についたは良いけど何ら政権構想が無いまま思い付きで朝令暮改、迷走の果てに瞬く間に瓦解って最近どっかで見・・・あ、いや何でもないです。

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「異形の王権」網野善彦著

「【新版】 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り」藤木 久志 著

【新版】 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り (朝日選書(777))
藤木 久志
朝日新聞社
売り上げランキング: 44,842

戦国時代の戦争を雑兵・百姓たちから見た戦国社会史の名著。タフに生き抜く百姓たちの様子が生き生きと描かれていてとても面白い。

関連エントリ
戦国時代の村の安全保障・外交交渉・戦時体制のまとめ
戦国時代の日常茶飯事「掠奪・奴隷狩り・人身売買」について

「信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学」藤本 正行 著

信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)
藤本 正行
講談社
売り上げランキング: 171,432

桶狭間の奇襲→実は無かった。長篠の三段撃ち→実は無かった。近年戦国時代の通説が次々と覆されていますが、その端緒を作った本。様々なエピソードに彩られる織田信長の戦争の実情を丁寧に解きほぐしていて興味深い内容です。

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長篠の戦いでの「三段撃ち」は後世の創作

「戦場の精神史 ~武士道という幻影」佐伯 真一 著

戦場の精神史  ~武士道という幻影 (NHK出版)
佐伯 真一
NHK出版
売り上げランキング: 74,556

現代人がイメージする武士道というのは実は明治時代以降に作られたもので、戦場の武士の倫理観は全く違う、勝利至上主義、裏切り上等な、要するに「勝てばよかろうなのだ」という某柱の男さん大喜びなものだった。中世の戦闘観が如何にして江戸時代、明治時代と変化していったかを丁寧に描く武士を考える上でぜひ読んでおきたい一冊。

「世界史のなかの戦国日本」村井 章介 著

世界史のなかの戦国日本 (ちくま学芸文庫)
村井 章介
筑摩書房
売り上げランキング: 147,536

元はちくま新書の「海から見た戦国日本」で、改訂と補稿が加えられて「ちくま学芸文庫」入りしたもの。戦国時代の日本を取り巻く関係を、特に東北と琉球を中心に据えて見ることでその経済・外交関係をダイナミックに描く本。久しぶりにわくわくさせられる一冊で、ぜひおすすめ。

「〈悪口〉という文化」山本 幸司 著

〈悪口〉という文化
〈悪口〉という文化
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山本 幸司
平凡社
売り上げランキング: 488,521

日本の中世近世村落には悪口を言い合う悪口祭りという習慣があった。匿名での悪口の暴露が秩序維持の機能を果たしていた様子を欧州の悪口の習慣なども紹介しつつ描く、面白い本。

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コミュニティの秩序維持機能としての悪口祭
江戸の華と言えば喧嘩だが実はほとんど口喧嘩だけで決着した
人って変わらないんだなぁと思わずにはいられない500年前の掟

「文明としての江戸システム」鬼頭 宏 著

文明としての江戸システム 日本の歴史19 (講談社学術文庫)
鬼頭 宏
講談社
売り上げランキング: 100,396

歴史人口学の視点で江戸の文化・社会・経済・環境・資源などを総合的に眺める歴史好きならぜひ読んでおきたい一冊。この本については様々な記事で参考にして色々書いたので特にもう語ることはない。

関連エントリ
歴史人口学から見た江戸時代農村の結婚について
幕末の人口統計「空白の四半世紀」に何故人口は増加に転じたのか?
幕末の金流出は何故ハイパーインフレを起こしたか?
近世日本の大海運網を確立させた強欲商人「河村瑞賢」

「生類をめぐる政治――元禄のフォークロア」塚本 学 著

生類をめぐる政治――元禄のフォークロア (講談社学術文庫)
塚本 学
講談社
売り上げランキング: 160,907

徳川綱吉の生類憐みの令を総合的な施策という観点から観て、専制君主としての徳川綱吉像を浮き彫りにした、元禄時代の江戸を知るうえでぜひ読んでおきたい一冊。近年はこの本で書かれた内容がほぼ通説になっている。

関連エントリ
専制君主としての徳川綱吉と生類憐みの令
江戸時代の捨子たち~歴史・社会背景・捨子観の変化・幕府の政策など

「武士に「もの言う」百姓たち: 裁判でよむ江戸時代」渡辺 尚志 著

武士に「もの言う」百姓たち: 裁判でよむ江戸時代
渡辺 尚志
草思社
売り上げランキング: 163,914

江戸時代の百姓たちはただお上の御威光に従っていた、というのではなくむしろ積極的に裁判を起こして自己主張していた、という訴訟社会江戸の様子を描いた本。江戸の村長選挙を巡るドラマティックな裁判劇が中心に語られる。

関連エントリ
「武士に「もの言う」百姓たち: 裁判でよむ江戸時代」渡辺 尚志 著
何故、江戸時代の司法制度は「自白」に頼っていたのか?

「江戸の外交戦略」大石 学 著

江戸の外交戦略 (角川選書)
大石 学
角川学芸出版
売り上げランキング: 420,413

大石氏は吉宗研究の第一人者なので吉宗関連本を挙げるのが妥当なのだけど、文字通り江戸時代の外交戦略を簡単にまとめたこの本も良書なので。鎖国は国を鎖じていたのではなく四つの口を通じて積極的に外交関係を結んでいた、というのは近年主流となりつつある考え方だけど、そういう近年の説も含めて、江戸の外交関係をまとめたわかりやすい本。

関連エントリ
江戸幕府を震撼させた国書偽造スキャンダル「柳川一件」の顛末
積極的外交政策としての「鎖国」と鎖国史観についてのメモ

「水戸黄門「漫遊」考」金 文京 著

水戸黄門「漫遊」考 (講談社学術文庫)
金 文京
講談社
売り上げランキング: 95,426

これ個人的には一押しの一冊。水戸黄門物語誕生の過程を、中国朝鮮の類似物語を収集し巡遊する王の姿を描きつつ、江戸から明治にかけての社会変化を通して描く、非常にエキサイティングな一冊。明治天皇の行幸と水戸黄門漫遊物語の誕生、戦後の変化、テレビドラマとしての水戸黄門の誕生など比較文化論、日本近世~現代文化史としても一級品。

関連エントリ
水戸黄門諸国漫遊物語はどのように生まれたのか?
日本史上形骸化を繰り返す監察制度と将軍の隠密「御庭番」の活躍

「国家神道と日本人」島薗 進 著

国家神道と日本人 (岩波新書)
島薗 進
岩波書店
売り上げランキング: 25,070

近代日本で誕生し、政教一致を強烈に志向して日本の宗教世界を一変させた国家神道の誕生から戦後の政教分離がはらむ問題点までを概説した本。明治国家、戦争、靖国、政教分離など幅広く考えるときに基礎知識として色々と参考になると思う。

「近代日本の国家構想―1871‐1936」坂野 潤治 著

近代日本の国家構想―1871‐1936 (岩波現代文庫)
坂野 潤治
岩波書店
売り上げランキング: 104,701

近代日本の政策方針を巡る各種議論、論者をそれぞれ整理して、1871年から1936年まで65年の間で形作られる近代国家としての日本の姿を描く大著。いくつもの方針が相互に作用しあうことで近代日本の政治が形作られていく様がとてもダイナミックでおもしろい。

関連エントリ
1929-1932日本の政党政治はいかにして行き詰ったか
明治十三年、財政破綻目前で検討された3つの経済政策案
外見的立憲主義型市民憲法としての明治憲法の限界
二度目は笑劇の憲法改正論議

「東京の空間人類学」陣内 秀信 著

東京の空間人類学 (ちくま学芸文庫)
陣内 秀信
筑摩書房
売り上げランキング: 37,573

現代の東京は実は江戸時代以来の枠組みの大部分を残しつつ成り立っている。江戸時代から明治時代、関東大震災以後の都市計画、そして現代東京まで、その都市の特徴を描いた都市論の傑作。1985年の本なので、書かれた当時と今とでは東京は大きく形を変えているが、それでも本筋としては変わっていない。東京を散歩することが趣味の人ならぜひ読んでおきたい一冊でもあります。

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江戸町人の<店を構える>意識の裏返しとしての現代人のプライバシー観
「東京の地霊(ゲニウス・ロキ)」鈴木 博之 著
「路上観察学入門 (ちくま文庫)」赤瀬川原平 藤森照信 南伸坊・編著

「東京の下層社会」紀田 順一郎 著

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)
紀田 順一郎
筑摩書房
売り上げランキング: 32,953

近代日本は近代化の過程で格差が生まれ、巨大な貧困層が顕在化した時代でもあった。大正から昭和初期にかけて同時代的に下層研究が進んだが、こちらは現代の視点から東京の下層社会を俯瞰した一冊。

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大正末期の無名の娼妓の手記と近代公娼制度について
昭和五年のスラム街もらい子大量殺人事件「岩の坂事件」
暗黒企業の原初形態~明治の女工の地獄について
日本の教育観を呪縛する「パーフェクト・チャイルド」幻想の歴史

「明治国家の終焉-1900年体制の崩壊」坂野 潤治 著

明治国家の終焉 1900年体制の崩壊 (ちくま学芸文庫 ハ 32-1)
坂野 潤治
筑摩書房
売り上げランキング: 24,568

明治国家は桂太郎と原敬の協調によって生まれた桂園時代をもって完成した、と捉えられる。その桂園時代の終焉は民主運動と軍部の台頭による桂太郎政権の退陣「大正政変」であった。その大正政変前後の国内の動きを描いた、近代政治史屈指の一冊と思う。当時の日本国内の動きは、現代の一連のエジプト政変を彷彿とさせる。

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「明治国家の終焉 1900年体制の崩壊」坂野 潤治 著

「八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学」佐藤 卓己 著

八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)
佐藤 卓己
筑摩書房
売り上げランキング: 13,991

なぜ終戦記念日は八月十五日なのか?八月十五日が終戦記念日とされていく過程を各種メディアの報道内容などを中心に描く「メディアリテラシー」を考えるための一冊。

関連エントリ
八月十五日は何故「終戦記念日」なのか?~「八月十五日の神話」
盆踊りの変容と衰退に多大な影響を与えたメディア

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