日本のオタク文化meets剣と魔法と美少女の異世界「アウトブレイク・カンパニー」に超期待

今年の四月から放送された「はたらく魔王さま!」が異世界と現代日本社会との異文化交流をコミカルに描いた良作でしたが、十月から放送が開始されている秋アニメでも異文化交流を巧みにストーリーに絡めた「アウトブレイク・カンパニー」「凪のあすから」の二作品が、どちらも今のところいい感じにお話が進んでいて注目しています。「凪のあすから」は別の機会にでも紹介するとして「アウトブレイク・カンパニー」が非常に面白い。

アウトブレイク・カンパニー 第1話「気がつけば異世界」 ‐ ニコニコ動画:GINZA

ある日富士の樹海に異世界に続く亀裂が発見され、日本政府と剣と魔法の異世界を支配する神聖エルダント帝国との間に外交が樹立、クールジャパンだのジャパニメーションだのと名高い日本のオタク文化を輸出することになり、元引きこもりで自宅警備員でガチなオタクの主人公が半分拉致されるようにその担当者として送り込まれる、というお話ですね。

二話まで観たのですが、エルフ耳のメイド、ロリ少女なツンデレ皇帝陛下、腐女子な女性自衛官などお約束キャラクターを配置し実在のアニメ・マンガ作品のパロディを随処に入れつつ、巧みに異文化同士が交流する様子が描かれ始めようとするという段階ですが、非常に巧みなのが、ちゃんと異世界を我々の住む社会とは違う、徹底した封建社会として描いているところです。

絶対的な身分制度があり、下層階級が貴族ら上層階級に従属するのも、貴族が召使に暴力を振るうのも当たり前で、人々の識字率は非常に低く、亜人など下層階級の人びとには余暇らしい余暇が無くて子どもの内から将来を考えて軍人になるべく農作業など家業の合間に軍事訓練を受ける、現代日本とは隔絶した世界として描かれます。

では、現代社会の思想や価値観や文化を教示する啓蒙主義的な手法になるのか、というと二話の時点でその「啓蒙」は主人公のある振る舞いで一定の距離が置かれます。相手の社会には身分制度・階級があり、差別的観念が常識として存在し、自由や平等や博愛といった現代社会の思想は理解されない、しかし、まずはそれを異文化として受け入れ尊重しよう、というところから物語がスタートしています。

このあたり、エンターテイメント作品らしく、教条的になりすぎないような絶妙なさじ加減で丁寧にコメディタッチのドラマとして描かれていて、今後どのように描いていくのか、興味が尽きません。ストーリーを動かす土台となる世界観ががっちり固められていく序盤という感じですね。オタク文化の輸出以前の文化インフラが整っていない社会に、いかにして異文化を伝えていくのか、という点はもちろん、剣と魔法と美少女のエンタメとしても期待できるし、三話ではどうやら謀略渦巻くお話になりそうで、もしかすると政治上の駆け引きだとか、戦いなども期待していいのかもしれなさそうですね。今後の展開次第では今年度屈指の作品になるんじゃないかと、とても期待しています。

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