「ヒトはなぜ、夢を見るのか」北浜 邦夫 著

ヒトはなぜ、夢を見るのか (文春新書)
北浜 邦夫
文藝春秋
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夢にも目を向ける、というのがこれからとても重要になってくるのではないか、と漠然と思っていて、まずは夢のメカニズムについて知りたいと思い読んだ一冊。

人は睡眠中、逆説睡眠≒REM睡眠と徐波睡眠≒ノンレム睡眠とを90分毎に四回繰り返す。
徐波睡眠に入ってから90分ほど経過すると、覚醒、徐波睡眠時に働いていた細胞の活動が停止。後脳にある中脳と延髄を繋げる橋の部分にある青班核の周囲のノルアドレナリン細胞が活性化。視床と新皮質の会話が再開し覚醒時と同様の脳波が現れる。新皮質では近く・運動を基本とした精神活動が活発化。外界からの刺激は流入しない。
また、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)が見られ、記憶を司る海馬や情動に関わる偏桃核の活動水準が上がり、記憶が引き出されて夢が進行する。しかし一時記憶のみなため、記憶に残ることはない。
夢をみている間は新皮質の動きは覚醒している状態とほぼ変わらず知覚活動が行われる。
しかし外界からの刺激は遮断されているため、非現実的であったりつじつまが合わなかったりする。
脳には仮説立証性という働きがある。
何かを知覚すると、経験や知識などを元にまずは脳内で仮説を立て、それが正しいかどうかを実証するために現実を確認する。
タヌキかな?→タヌキだ
タヌキかな?→キツネだった
タヌキかな?→見たこともない生き物だ!化け物??
夢を見ている間は仮説だけが次々と立てられ、外界からは遮断させられているので、仮説に基づいて、現実の修正を行うことなく知覚される。

「逆説睡眠状態は脳全体が不十分だがある程度覚醒していて、かつ外界から刺激が流入してこない状態にあるため、夢には修正されないとりとめもない幻覚が出てくる」(P155)

過去の経験やそれらの断片など脳内イメージが組み合わさって知覚され、それが現実によって修正されず夢として出てくるのではないか、とこの本では仮説を述べています。
夢のストーリー性は第一のイメージが出ると、そのイメージを受けて連想を繰り返し、ストーリー性のある夢を見ていくのではないかということでした。
で、夢は何の役に立つのかという問いに対しては忘却、記憶の再整理、神経系の再構築、などいくつかの説をあげていますが、以下の部分に同意。

夢に現れた極楽や地獄を絵筆に現し、不思議な話を物語にし、歌にうたって、かけがえのない文化的財産が作られてきた。夢なくして文化はありえない。(中略)これが夢の人類への文化的貢献である。

駆け足でざっくりとまとめましたが無学なので読み間違い、誤解などあるかもしれません。
この本を読んで思ったことは、脳の働きとして睡眠中も起きている間も脳の働きはほとんど変わらない。ただ外界からの現実というファクターの有無だけの違い。ということ。
ならばもっと夢に対して自覚的になることで、豊かな生活が送れるのではないかなぁと感じました。

夢が錯覚ならば、恋愛も人生も錯覚かもしれない。それならば、目が覚めないように、その錯覚を楽しんで生きるのもよいだろう。

夢を楽しむ。人生も楽しむ。

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