東京の公園と原地形

東京の公園と原地形
東京の公園と原地形
田中 正大
東京の特に名園と言われる公園はどのような原地形をしているのか、特に谷に注目して調べ上げられた一冊です。
自然が作った谷は関東地方では谷戸と呼ばれてきて、名園はどれも谷戸がうまく使われているというのを知りました。
谷戸とは三方を丘に囲まれた低地のことで、湿地や水田として使われていたことが多い地形のことです。
鹿の角のように何本かに別れ、谷頭(やとがしら、やのがしら)と呼ばれる谷戸の頭部では谷底に湧水が湧き出し、あるいは湧き出していたが枯れて地形だけが残っている。そしてのその湧水は囲われた三方の間を抜け、谷口と呼ばれる開けた一方から谷戸内の水が流れ出していて、谷底にいると三方が丘なので外界と隔絶された別世界になるような地形だということです。
そんな地形は東京の都市化で次々住宅地や繁華街、ビル街へと形を変えたけども、かつての農村社会では谷戸は水田と結びついた重要な地形でした。
その谷戸の構造が生かされた公園を武蔵野台地、国分寺崖線、丘陵地帯などを中心に24の公園、日本庭園が紹介されています。
紹介されている公園は
清水谷公園、大田黒公園、石神井公園、砧公園、小金井公園、こどもの国、薬師寺公園、小宮公園、国営武蔵丘陵森林公園、滄浪泉園、殿ヶ谷戸庭園、深大寺と神代植物公園、明治神宮内苑、明治神宮外苑、新宿御苑、江戸城の内濠と外濠、戸山荘、松平讃岐守下屋敷(国立自然教育園)、相馬邸庭園(一部、おとめ山公園)、池田邸庭園、椿山荘、三渓園、西山荘、南湖公園、と豪華ラインナップ。
淡々と一つ一つの公園を丁寧に歩き、調べ、愛のある紹介をして頭が下がるフィールドワークの傑作です。僕が行ったことあるのは8つだけで、紹介された公園はどれもこれからじっくりと回ってみたいと思わされました。谷戸だと意識したことは無かったですが、例えば上で紹介された中だと国立自然教育園のあの別世界感は素直に凄いと思っていたのでなるほど谷戸という構造が別世界を作り出していたのかと膝を打ちました。
この本の序論のタイトル「地形は呼んでいる」けだし名言だと思います。地形の呼び声に耳を傾けられるように感じることを大事にしながら散歩を楽しみたいと思いました。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

フォローする

関連コンテンツ

スポンサーリンク
スポンサーリンク