今後5年間で2億の新たな仕事が必要となる

ILOが発表している「『World of work report』2014年版概要日本語訳」からちょっとメモ。概要だけ日本語で報告書は英語。

多くの開発途上国において、働く貧困層の削減には目を見張るものがある。しかしなお、開発途上国の8億3900万人の労働者は、1 日2ドル未満しか稼いでおらず、貧しいままである。これは、全雇用者の3分の1に相当する(2000年代初期には半分以上)。

そして、新興国と開発途上国における生産年齢人口の増加に伴い、今後5年間で2億の新たな仕事が必要となる

今後 5 年間で、2億1300万人が新たに労働市場に参入し、開発途上国だけで2億人を占める。このことは、若年失業の問題を提起する。開発途上国の若年失業率はすでに12%を超えており、成人失業率の3倍以上である。地域的に見ると、若年失業が最も高いのは、中東と北アフリカ地域であり、これらの地域では若者3人に1人は仕事が見つからない。
特に、若い女性は職探しに苦労しており、失業率は 45%近い。
仕事の質についても課題がある。実際、教育水準は大半の開発途上国で急速に向上してきている。そのため、教育で得たスキルと求人のある職種や仕事の内容との格差が拡大している。

多くの教育を受けた若者を国外への移住に追いやる

良質な仕事がないことは、国外への移住の中心的な決定要因であり、特に開発途上国で教育を受けた若者について言えることである。移民の受入国と送出国との賃金格差は、およそ10対1である。2013年、2億3000万人以上の人々が出生国以外の国で生活しており、これは2000年以降に5700 万人も増加しているが、南アジアがこの増加分の約半数を占めている。

労働及び社会的保護制度をより実効的なものにすることは、多くの開発途上国にとって重大な課題である。賃金設定メカニズムや労働規制は、適切に設計され、その遂行能力に注意を払う必要がある。
これらの困難にもかかわらず、最近、この分野には多くの興味深い革新が見られる。それは、労働市場への参加を促進する一方、働く貧困や不平等と闘う際に、最低賃金が果たす役割への認識が高まっていることである。報告書は、社会対話を通じるなど、いくつかの開発途上国がどのように最低賃金を設定・履行する革新的方法を見出したかを例示している。同様に、上手く設定された団体交渉は、インフォーマル経済や低生産性の罠に取り組む他に、所得の再配分にプラスの影響を与えることができる。ここで1つの大きな課題は、団体交渉の適用範囲が低下していることであり、これは先進国においても顕著に見られる傾向である。

各国内における所得格差の拡大は、今や確固たる事実である。この傾向は、労働者にとって不利益な所得分配の変化と結びついている。
このようなパターンは、開発途上国にも当てはまる。不平等の拡大は、それに伴う消費の減退が、高い投資収益やコスト競争力の改善におけるプラスの影響を上回ることにより、経済成長を損ねている。多くの国で労働所得の割合が減少し、世界的な総需要不足と賃金及び生活水準の底辺への競争が引き起こされ、その結果、競争力向上の効果が無に帰して、負の結果がもたらされる。経済への影響に加え、所得格差の拡大は、アラブやアジアの国々で起きたように、社会的な結束を損ない、社会不安を高めるものである。
開発途上国にとって、労働所得の減少を累進課税によって相殺する能力は、先進国より弱い。したがって、労働と資本の間で市場の所得分配を改善することができる労働市場制度を強化することが必須である。これは、労使間の対話を促進し、労働法や労働基準を施行することに加え、開発途上国において均衡のとれた所得分配を確保するように設計された社会的保護を実行することによって実現できる。この分野については、アルゼンチン、ブラジル、最近ではチュニジアが重要な経験をしている。

全地球的に、経済成長と雇用の創出・調整が急務であるということが理解できるレポートだと思うので。タイトルは本文中の記述「今後5年間で2億の新たな仕事が必要となる」をコピペして使ったけど、実際には今後五年間で新たに参入する約二億人と、現在働く貧困の状態にある八億四千万人、さらに現在失業状態にある人びとの受け皿などを含めたら桁が一つ違うってことがわかるんじゃないかと思います。で、これは今後も続く人口の増大に対応して増えることはあっても減ることは無いという話。雇用・経済・移民等々に関する国内外の話題はこのあたりのマクロの概況を踏まえておく必要があるだろうなぁと思うので、一応の基本をおさえておくということで、とりあえず。

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