血液型と性格が関連する予言の自己成就は起きていなかった?

血液型と性格「関連なし」…九州大講師が解析 : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

元論文も興味深かった。特に、予言の自己成就が起きていなかったという指摘。
血液型と性格の無関連性 ―日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠―

Sakamoto & Yamazaki(2004)は 1980 年代のデータを用いて,社会に血液型性格判断の知識が広まることにより,結果として血液型と性格が関連する予言の自己成就が生じる可能性を示唆した。これが正しければ,1980 年代から 20 年経過した 2000 年代では実際に血液型と性格が関連してしまうという予測も成り立つ。しかし,本研究は,2000 年代のデータで血液型間の差は見られないことを示した。そのため,血液型と性格に社会的な意味での関連が生まれる予言の自己成就は起きていなかった。

予言の自己成就はもしかすると、性格づけというような恒常的で多様な現われ方をする現象にではなく、例えば試験に落ちるかもしれないとかプレゼンに失敗するかもしれないとかいうような、もっと限定的で単純な状況においてのみ発現するのかもしれない。予言の自己成就は大なり小なり繰り返され行動に影響を及ぼすのだとしても、血液型の性格分析を信じているからといって常に大雑把だったり神経質だったりし続けるような、予言によって規定された状況が性格のような常態として実現させるあることは難しいということか。常に行動を規定する規範として血液型による性格診断を受け容れていたとしても、それに沿って性格づけそのものを変えて常態となるほどであるためには、もっと意識的で強力な自己規定、罪の意識とか、神の目線とかいうレベルの信仰のような何かが必要なのかな。あるいは、予言が行動を規定するとしても、性格そのものには影響を及ぼさないか、及ぼすには何らかの条件があるのか、など興味あります。

また、もしかすると今回の調査では血液型と性格に関連する予言の自己成就が起きていないが、別の調査ではそれがみられるかもしれないし、血液型に限らず性格のラべリングや占いなど個々の心理や行動に影響を与えそうな様々な習慣・流行と予言の自己成就の関係についてはさらなる具体的な研究に期待したいです。

参考サイト
第二回講義 予言の自己実現

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