TED動画『アスリート達は本当により速く、強くなっているのだろうか?』

デイヴィッド・エプスタイン: アスリート達は本当により速く、強くなっているのだろうか? | Talk Video | TED.com

おもしろい。スポーツ科学・医学を専門とする記者デビッド・エプスタイン氏のスピーチ。スポーツが発展してきた歴史を振り返ると、現代までに大幅な記録の向上が見られるが、これは特に人類が進化したわけではない、では何がおきたのか?ということを様々なデータから説明している。一つには例えば短距離走などでの競技場に敷かれるトラック素材や水泳で使われるプールの排水技術・スイムウェアなどの技術革新に代表されるスポーツ関連の技術や競技環境の進化、一律で競技者は中肉中背が理想とされていた次代から競技ごとに特化された体格の育成や競技向きの体格を持った選手の発掘、人間に可能なこと理解やマインドセットの進化などが挙げられるのだという。

特に、「体型ビッグバン」の話は興味深い。バスケットボールなど高身長が求められる競技では選手はより高身長に、新体操など小ぶりな体型が有利な競技では選手はより小柄になり、身体のバランスも水泳のような胴長短足がより有利な競技では選手は胴が長くなり、短距離走のような長い脚が遊離な競技では選手は脚が長くなってきた。この、体型の特化の前提となっている、より高い記録を選手に求めさせるインセンティブの大きな要因、デジタル技術の進化や視聴者層の拡大については以前読んだ多木浩二著「スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム (ちくま新書)」でも触れられていたなぁ。

多木は『スポーツを問うことは社会を問うことなのである。』(多木前掲書P23)と書いているが、もしそうなら、この動画で語られているテクノロジーが支える記録の向上、デジタル化と選手たちへのインセンティブ、体型の特化に見られる遺伝子プールの変化、マインドセットのコントロール、スポーツの民主化による競技人口の増加、といった変化から現代社会をどう考えることができるだろうか。

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