1960~2000年代のテレビアニメ原作媒体の割合と新作放映数の推移

CiNiiで色々論文検索していて見つけた「日本におけるテレビアニメ放映データの分析 : リストの作成とその概要」(増田のぞみ・東園子・猪俣紀子・谷本奈穂・山中千恵論文)で1960年から2010年までの十年毎の「テレビアニメにおける原作媒体の割合の変化」の統計データが掲載されていて興味深いと思ったので紹介。

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テレビアニメにおける原作媒体の割合の変化

「テレビアニメにおける原作媒体の割合の変化」

同論文によれば、元データは『1988 年までは『テレビアニメ 25 年史』(アニメージュ編集部,1988)に掲載されたすべての作品,1989 年以降はアニメ雑誌『アニメージュ』(徳間書店)に掲載される「年間パーフェクトデータ」に載っているすべての作品』とのこと。

1970年代~80年代の小説原作アニメは「ムーミン」「家なき子」「赤毛のアン」などの欧米の児童文学が主流であるのに対して、1990年代からは「無責任艦長タイラー」「スレイヤーズ」「ロードス島戦記」などのヤングアダルト向け小説が登場、2000年代以降は児童文学原作にかわりライトノベル系原作が主流となっていくが、小説原作作品は全体の割合としては減少傾向にあるという流れのようです。また、1980年代からゲーム原作が登場、80年代ゲーム原作黎明期の代表作品として「Bug ってハニー」「DragonQuest」「桃太郎伝説」などがあり、90年代、2000年代と増加しています。アニメオリジナル作品の割合は70年代の52%をピークに以降、35%、30%、26%と大幅に減少、漫画原作は60年代に50%の割合を占めたあとは1980年代以降30%台半ばで推移しているようです。

テレビアニメ新作放映数の推移

「テレビアニメ新作放映数の推移」

同論文より、この図を見る限り、割合として減少傾向にあるアニメオリジナル作品も母集団の数から考えれば比較にならないほどの本数の増加があるということがわかります。ざっと計算してみただけでも1963年から1989年までの27年間の合計が712本で、ピークとなる2006~8年の三年分でしかありません。というか、2000年代に入ってからの本数の増加は凄まじいですね。こうしてみると、ここ十五年ぐらいで規模が急拡大し、原作媒体も多様化しているということがよくわかります。特に90年代後半、98、99年に一気に年間百本の大台に乗っているのですが、この急増の要因はどのようなものだったのでしょうか。この90年代後半のアニメ産業構造の転換、制作体制の変化などが気になる所です。このあたりがひいては現状構造的問題として問題視されるアニメ制作の現場の劣悪な労働環境にも影響を与えていそうです。

このような本数の増加を可能としている要因が一作品あたりの話数の減少にあることも指摘されています。年代別の一作品あたりの話数の平均値の推移は、1960年代62話、1970年代81話、1980年代53話、1990年代37話、2000年代26話と大幅な減少傾向にあることが紹介されています。

『毎週 1 話ずつ放映される作品の場合,1960 年代から 1970 年代にかけては,平均の放映期間が軽く 1 年を超えることとなる。1970 年代の 81 話という数字は,1 つ 1 つの作品に平均して 2 年近い放映期間があったことを示している。それが 2000 年代になると大幅に減少し,2 クール程度の作品が主流になっていることがわかる。
このように 1 作品あたりの平均話数が減っているのは,単発放映の作品やクールが短い作品が増えたことが原因であると考えられる。図 1 でみた新作放映数の増加という現象は,こうした話数の減少と同時に起こっているのであり,単発放映の作品やクールの短い作品の増加が放映本数の増加にもつながっていることがわかる。』(同論文より)

以上の推移は、子供の頃の70~80年代を除けば2011年からアニメを見始めた僕にはとても参考になる統計データでした。2010年代はどのような傾向が見えるのでしょうか。ゲーム原作と小説(ライトノベル)原作がさらに割合を増やしていそうな印象がありますが。

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